物語シリーズ　噛みました

(らがいっこおおいぞ)

々が一個多いぞ

(こんどはらがにこおおいからな)

今度は々が二個多いからな

(ひとのなまえをうっかりはちべえみたいにいうんじゃない)

人の名前をうっかり八兵衛みたいに言うんじゃない

(ぼくのなまえをみゅーじかるみたいにうたいあげるな)

僕の名前をミュージカルみたいに歌い上げるな

(ひとのなまえをよっきゅうふまんみたいななまえでよぶな)

人の名前を欲求不満みたいな名前で呼ぶな

(どんなきせきたいけんを！？)

どんな奇跡体験を！？

(ついにただのごしょくになってしまったかぁ)

遂にただの誤植になってしまったかぁ

(おおむねそのとおりであってひじょうにおしいかんじなのだが)

概ねその通りであって非常に惜しい感じなのだが

(しかしはちくじ、ひとをじんぼうちょうにほんでつまったびるをしょゆうしている)

しかし八九寺、人を神保町に本で詰まったビルを所有している

(だいえいていこくとしょかんとくしゅこうさくぶきんむの)

大英帝国図書館特殊工作部勤務の

(かみづかいのおねえさんみたいななまえでよぶな)

紙使いのお姉さんみたいな名前で呼ぶな

(ものすげえかっこいいからむしろそっちのなまえにかいめいしたいくらいだが)

もの凄えカッコいいからむしろそっちの名前に改名したいくらいだが

(しかしはちくじ、なんどもなんどもくりかえしていうように、ぼくのなまえはあららぎだ)

しかし八九寺、何度も何度も繰り返して言うように、僕の名前は阿良々木だ

(そんなにきがるにこんびにのばしょをかくにんされても！)

そんなに気軽にコンビニの場所を確認されても！

(あいか？あいをかいにいくのか！？２９８えんで！！)

愛か？愛を買いに行くのか！？298円で！！

(ぼくのなまえをふぁんしーぐっずのりとるついんすたーずみたいにいいまちがえるな)

僕の名前をファンシーグッズのリトルツインスターズみたいに言い間違えるな

(たしかにぼくはあした、かんばるのいえをそうじするよていだけども)

確かに僕は明日、神原の家を掃除する予定だけども

(だからといって、べつにそうじずきのそうじまにあってわけじゃないんだから)

だからと言って、別に掃除好きの掃除マニアってわけじゃないんだから

(かわいたぬのでのせいそうほうみたいななまえでぼくをよぶな)

乾いた布での清掃法みたいな名前で僕を呼ぶな

(ひとのなまえをおきなわけんのほうげんみたいによぶな)

人の名前を沖縄県の方言みたいに呼ぶな