忘却の彼方

(きみにこのこえがきこえますかこのこえが)

君にこの声が聞こえますか　この声が

(はかなきぎせいしゃよこえがきこえますか)

儚き犠牲者よ　声が　聞こえますか

(いまもまだこまくこびりついたばせいに)

今もまだ　鼓膜　こびり付いた罵声に

(ふるえてはこみあげる)

震えては　こみ上げる

(きざまれたむねににぶくいたむなにか)

刻まれた　胸に鈍く痛む何か

(みえることなくだれにもわかりはしないだろう)

見える事なく　誰にも解りはしないだろう

(のばしたてはとどかない)

伸ばした手は届かない

(ぼうきゃくのかなたへきえてゆけきえてゆけ)

忘却の彼方へ　消えてゆけ　消えてゆけ

(くうきょなそらよ)

空虚な天よ

(きづいてるならばこたえてくれ)

気付いてるならば　応えてくれ

(はなやかなせかいのかたすみでおぼれてゆく)

華やかな世界の　片隅で　溺れてゆく

(わずかないのちのわずかなこえがきこえていますか)

僅かな命の　僅かな声が　聞こえていますか

(きこえますか)

聞こえますか

(まぶたのうらひどくあざやかないろを)

瞼の裏　酷く鮮やかな色を

(いぜんとしてあぶりだす)

依然として　炙りだす

(かみさまがもしかりにそんざいするのなら)

神様が　もし仮に存在するのなら

(ゆかいなかただかなしみもしらないんだろう)

愉快な方だ　哀しみも知らないんだろう

(さけんだこえとどかない)

叫んだ声届かない

(このこえがきこえますか)

(この声が聞こえますか)

(かみのぎせいしゃよきこえますか)

(神の犠牲者よ　聞こえますか)

(ぼうきゃくのかなたへきえてゆけきえてゆけ)

忘却の彼方へ　消えてゆけ　消えてゆけ

(くうきょなそらよ)

空虚な天よ

(きこえてるならばこたえてくれ)

聞こえてるならば　応えてくれ

(さだめにきらわれてあそばれてくずれてゆく)

運命に　嫌われて　弄ばれて　崩れてゆく

(わずかなきぼうのわずかなおとが)

僅かな希望の　僅かな音が

(ぼうきゃくのかなたへきえてゆけきえてゆけ)

忘却の彼方へ　消えてゆけ　消えてゆけ

(くうきょなそらよ)

空虚な天よ

(きづいてるならばこたえてくれ)

気付いてるならば　応えてくれ

(はなやかなせかいのかたすみでおぼれてゆく)

華やかな世界の　片隅で　溺れてゆく

(わずかないのちのわずかなこえがきこえていますか)

僅かな命の　僅かな声が　聞こえていますか

(きこえますか)

聞こえますか