オノマトペメガネ

(ちゃらんちゃらんとすずのねを)

ちゃらん　ちゃらん　と鈴の音を

(ならしてあるくはねこのよう)

鳴らして歩くは猫の様

(ぽたんぽたんとしたたった)

ぽたん　ぽたん　と したたった

(かさのしたのだれかのこえ)

傘の下の誰かの声

(ゆらゆらりふらふらり)

ゆらゆらり　ふらふらり

(にぶるかんかくはみずのなか)

鈍る感覚は水の中

(つらつらりくらくらり)

つらつらり　くらくらり

(どうでもいいようなかおがみたい)

どうでもいいような顔が見たい

(ゆがんではさっぱりさきがみえんな)

歪んではさっぱり先が見えんな

(ぼくらはここにゆめのなか)

僕らは個々に夢の中

(ひとーりふたーりわをつくれば)

ひとーりふたーり輪を作れば

(かけてるぶぶんをぼくがみよか)

かけてる部分を僕が見よか

(ひがんでもやっぱりさきがみえんな)

僻んでもやっぱり先が見えんな

(ぼくらはここにはこのなか)

僕らは個々に箱の中

(ひとーりふたーりわをこわせば)

ひとーりふたーり和を壊せば

(たちまちよごれてゆくみえないふぉんと)

たちまち　汚れてゆく見えない　フォント

(からんからんとかねのねを)

からん　からん　と鐘の音を

(ならしたあのこはいまいずこ)

鳴らしたあの子は今何処

(ひたんひたんととびはねた)

ひたん　ひたん　と　飛び跳ねた

(かさのしたのだれかのあし)

傘の下の誰かの足

(きづくのはやっぱりいつもおそいな)

気付くのはやっぱりいつも遅いな

(そんなぼくらはかごのなか)

そんな僕らは籠の中

(ひとーりふたーりたちどまれば)

ひとーりふたーり立ち止まれば

(たちまちうもれてゆくいえないほんのう)

たちまち　埋もれてゆく言えない　本能

(ほんとうのことなどだれもしらんよ)

本当の事など誰も知らんよ

(ことばにしたとてしんいはどうよ)

言葉にしたとて真意はどうよ

(みえないほんとうのりゆうはそれは)

見えない本当の理由は　それは？

(ゆがんでたしかいはぼくのなみだか)

歪んでた視界は僕の涙か

(きめつけたいみぼくのなか)

決めつけた意味　僕の中

(ひとーりふたーりことばつむぐ)

ひとーりふたーり言葉紡ぐ

(それぞれことばにいみがやどる)

それぞれ言葉に意味が宿る

(きづいたらすこしはさきがみえるか)

気付いたら少しは先が見えるか

(ぼくらはここでたびのなか)

僕らはここで旅の中

(ひとーつふたーつあるいてゆく)

ひとーつふたーつ歩いてゆく

(こたえのないこたえをみつけるもんどう)

答えの無い答えを見つける　問答

(のこしてゆくふぉんと)

残してゆくフォント