文豪ストレイドッグス四巻

(だってかのじょなにきてもにあうんだもの)

だって彼女何着ても似合うンだもの

(わたしにはころしのほかになにもできないとあいつはいったちがうとじぶんにしょうめいしたい)

私には殺人のほかに何も出来ないとあいつは云った違うと自分に証明したい

(わたしのまごむすめだ)

私の孫娘だ

(こころをこめてきけばこたえてくれますよそういうものです)

心をこめて聞けば答えてくれますよそういうものです

(たんじゅんであたまがとこはるのあつしはけんじのしごとてじゅんをすなおにしんじるにきまっている)

単純で頭が常春の敦は賢治の仕事手順を素直に信じるに決まって居る

(うしはだいすきですよかうのもふれあうのもたべるのも)

牛は大好きですよ飼うのも触れ合うのも食べるのも

(いなかではうしのきげんがわるくていうことをきかないのなんてしょっちゅうでした)

田舎では牛の機嫌が悪くて云う事を聞かないのなんてしょっちゅうでした

(みやざわけかくんうしがさからったらてぢかなものでなぐる)

宮沢家家訓牛が逆らったら手近なもので殴る

(ひぐちくんきみはじぶんがこのしごとにむいているとおもったことはあるかね)

樋口君君は自分がこの仕事に向いていると思ったことは有るかね

(あくたがわくんのうごけぬいまあなたにわれらがしたがいたいとおもわせるなにかがあるか)

芥川君の動けぬ今貴女に我らが従いたいと思わせる何かが有るか

(おまえのたすけなどいらぬだれのたすけも)

お前の扶けなど要らぬ誰の扶けも

(なにもできませんでもなにもしないなんてわたしにはむりです)

何も出来ませんでも何もしないなんて私には無理です

(まふぃあをぬけるのはふかのうではないそれでもわたしがそうしなかったのは)

組織を抜けるのは不可能ではないそれでも私がそうしなかったのは

(わかもののむちゃはかれらのとっけんだおおめにみたまえ)

若者の無茶は彼らの特権だ大目に見給え

(すまんな)

済まんな

(しごとですから)

仕事ですから

(いいことかんがえたくにきだくんじゃんけんしない)

好いこと考えた国木田君じゃんけんしない

(となりのしもむらとうきてんです)

隣の下村陶器店です

(いのちがかねでかえぬようにきょかしょうとかえうるものなどそんざいせぬ)

命が金で購えぬ様に許可証と替え得る物など存在せぬ

(あたまにさつたばのつまったなりきんがやすやすとふれてよいしろものではない)

頭に札束の詰まった成金が易々と触れて良い代物では無い