ああ玉杯に花うけて 完結!

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プレイ回数279難易度(4.5) 2297打 長文
大正時代の少年向け小説!
現代では不適切な言葉を含みます。

完結しました!最後まで遊んでくれたみなさんありがとうございました。
問題等ありましたら、教えてください。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 りっつ 4941 B 5.0 97.7% 446.2 2257 52 37 2024/05/03
2 Par100 4000 C 4.0 97.8% 551.2 2255 50 37 2024/05/01

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問題文

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(「あおきじゃないか」「ああやすばさん」)

「青木じゃないか」「ああ安場さん」

(「うむ、おれだ」「やなぎをたすけてください」「よしっ」 やすばがひらりとうごいた。)

「うむ、おれだ」「柳を助けてください」「よしッ」 安場がひらりと動いた。

(ふたりのすがたがもんどりうってたおれた。いまひとりはこういちがしっかりとひざに)

ふたりの姿がもんどりうって倒れた。いまひとりは光一がしっかりとひざに

(くみしいていた。「しばれしばれ」とやすばがいった。「しばるものがない」)

組みしいていた。「しばれしばれ」と安場がいった。「しばるものがない」

(「ふんどしでしばれ」「ぼくはさるまただ」「こころがけのわるいやつだ」 )

「ふんどしでしばれ」「ぼくはさるまただ」「心がけの悪いやつだ」

(「やすばさんのは?」「おれはむふんだ」せんぞうはまたしてもおびをといててづかを)

「安場さんのは?」「おれは無フンだ」千三はまたしても帯をといて手塚を

(しばりあげた。なげられたろばといまひとりはやすばがしばった。)

しばりあげた。投げられたろばといまひとりは安場がしばった。

(やすばはさんにんをでんちゅうにしばりつけた。 こういちのよこがおははれ、てくびは)

安場は三人を電柱にしばりつけた。  光一の横顔は腫れ、手首は

(くじかれていた。せんぞうにはなんのけがもない。「おいあおき」とこういちは)

くじかれていた。千三にはなんのけがもない。「おい青木」と光一は

(せんぞうのまえにひたとすわっていった。「おれをなぐってくれ、おれはわるかった、)

千三の前にひたと座っていった。「おれをなぐってくれ、おれは悪かった、

(さあおれがきみにしたようにおれのかおのどこでもなぐってくれ」)

さあおれがきみにしたようにおれの顔のどこでもなぐってくれ」

(「なにをいうかやなぎ」とせんぞうはこういちにひたとよりそうててをしっかりとにぎった。)

「なにをいうか柳」と千三は光一にひたとより添うて手をしっかりとにぎった。

(「ぼくはこんやきみのえんぜつでしんのえいゆうがわかった、ぼくらはおたがいに)

「ぼくは今夜きみの演説で真の英雄がわかった、ぼくらはおたがいに

(えいゆうじゃないか、せいぎのえいゆうだよ」「ゆるしてくれるか」)

英雄じゃないか、正義の英雄だよ」「ゆるしてくれるか」

(「ゆるすもゆるさんもないよ」「ありがとう」ふたりはふたたび)

「ゆるすもゆるさんもないよ」「ありがとう」ふたりはふたたび

(てをにぎりしめた。 「やい、ぼんじんしゅぎのでもくらしーのぐうぞうはかいしゃども」と)

手をにぎりしめた。 「やい、凡人主義のデモクラシーの偶像破壊者共」と

(やすばはさんにんにむかっていった。 「びょうどうとじゆうはどんなものかあしたのあさまでに)

安場は三人に向かっていった。 「平等と自由はどんなものか明日の朝までに

(そこでかんがえてみろ」 「なわだけはといてやってくれ」とこういちがやすばにいった。)

そこで考えて見ろ」 「なわだけはといてやってくれ」と光一が安場にいった。

(「いやいや」とやすばはあたまをふった。「えいゆうにしばられて)

「いやいや」と安場は頭をふった。「英雄にしばられて

(なわをとくのはでもくらしーのやくめなんだ、さあゆこう」)

なわをとくのはデモクラシーの役目なんだ、さあゆこう」

など

(こういってやすばはまっちをぱっとすってさんにんのかおをみた。てづかは)

こういって安場はマッチをパッとすって三人の顔を見た。手塚は

(なみだぐんでうなだれていた。ろばはきょとんとしてくびをあげててづかをののしった。)

涙ぐんでうなだれていた。ろばはきょとんとして首を上げて手塚をののしった。

(「だからおれはいやだというにおまえがかせいしてくれというもんだから」)

「だからおれはいやだというにおまえが加勢してくれというもんだから」

(「ざまあみろ」とやすばはわらった。「それがへいぼんしゅぎのほんしょうなんだ」)

「ざまあみろ」と安場はわらった。「それが平凡主義の本性なんだ」

(やすばはあるきだした。そうしてかいぜんとうたいだした。)

安場は歩きだした。そうして快然とうたいだした。

(「ああぎょくはいにはなうけて、りょくしゅにつきのかげやどし、)

「ああ玉杯に花うけて、緑酒に月の影やどし、

(ちあんのゆめにふけりたる、えいがのちまたひくくみて・・・・・・」)

治安の夢にふけりたる、栄華の巷低く見て……」

(どくしゃしょくん、かいすうにかぎりあり、このものがたりはこれにてかくひつします。)

読者諸君、回数にかぎりあり、この物語はこれにて擱筆します。

(もししょくんがひとびとのしょうそくをしりたければろくねんまえにいちこうのりょうしゃにありしひとに)

もし諸君が人々の消息を知りたければ六年前に一高の寮舎にありし人に

(ついてきくがよい。あおきせんぞうとやなぎこういちはどのへやのまどからそのげんきのいいかおを)

ついて聞くがよい。青木千三と柳光一はどの室の窓からその元気のいい顔を

(だしてどんなこえでぎょくはいをうたったか。それからいちねんおくれてにゅうこうしたせいばんと)

だしてどんな声で玉杯をうたったか。それから一年おくれて入校した生蕃と

(あだなのつくさかいいわおというせいねんがひじょうなべんきょうをもってしゅせきでだいがくに)

あだなのつく阪井巌という青年が非常な勉強をもって首席で大学に

(はいったこともどうじにきくがいい。 さらにやすばのことが)

はいったことも同時に聞くがいい。  さらに安場のことが

(しりたければもくもくせんせいをたずねなさい。せんせいはたぶんこういうだろう。)

しりたければ黙々先生をたずねなさい。先生は多分こういうだろう。

(「やすばですか、あれはいまろんどんのにほんたいしかんにいます」と。)

「安場ですか、あれはいまロンドンの日本大使館にいます」と。

(さらにしょくんは「やすばはろんどんでなにをしてるんですか」ときいてごらんなさい)

さらに諸君は「安場はロンドンでなにをしてるんですか」ときいてごらんなさい

(せんせいはたぶんこうこたえるでしょう。 「へそをなでています」)

先生は多分こう答えるでしょう。 「へそをなでています」

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