大人のひみつ

(おおきくなったらわかるわよ)

「大きくなったらわかるわよ」

(そういってさいごのひとくちあおるすがたにあこがれて)

そう言って最後の一口呷る姿に憧れて

(じゅーすをいっきにのみほした)

ジュースを一気に飲み干した

(おとなのひみつはなにやらおくぶかい)

大人のひみつはなにやら奥深い

(そらにたちのぼるおおきなためいき)

空に立ち上る大きなため息

(ちいさいころはいつだって)

小さい頃はいつだって

(はねがなくてもそらをとべた)

羽がなくても空を飛べた

(すてきなまほうだった)

ステキな魔法だった

(みらいのいろはにじのいろ)

未来の色は虹の色

(あんまりいいもんぢゃないわよ)

「あんまりいいもんぢゃないわよ」

(はれたかおでいぐすりさがすけだるいあさにあこがれて)

腫れた顔で胃薬捜すけだるい朝に憧れて

(むくちなふりしてみたけど)

無口なフリしてみたけど

(おとなのひみつはやっぱりかくべつ)

大人のひみつはやっぱり格別

(そのとおいめにはなにがみえてるの)

その遠い目には何が見えてるの？

(あるひとつぜんきがついた)

ある日突然気が付いた

(はねもないのにとべるわけない)

羽もないのに飛べるわけない

(そしてたばこにひをつけた)

そして煙草に火をつけた

(みらいにいろなんてなかった)

未来に色なんてなかった

(おおきくなったらわかったよ)

大きくなったらわかったよ

(おおきくなってもわからない)

大きくなってもわからない

(ものがたくさんあるんだね)

ものがたくさんあるんだね

(しりたいからいきるんだね)

知りたいから生きるんだね

(おとなのひけつはあきらめることだ)

大人のひけつは「あきらめる」ことだ

(そうおもっていたはいいろのひびに)

そう思っていた灰色の日々に

(さよならをあげるかわりに)

さよならをあげる代わりに

(どこまでもだいてってあげる)

どこまでも抱いてってあげる

(もういちどそらをとびたい)

もう一度空を飛びたい

(みらいのいろはあたしのもの)

未来の色はあたしのもの

(みらいのいろはきみのもの)

未来の色は君のもの