美少年探偵団　第二話

(そうとういんくんは、わたしのゆめをうつくしいといった。)

双頭院くんは、私の夢を美しいと言った。

(うつくしいだなんて、わたしのなやみをそんなきれいなことばでかざらないでほしいとおもった)

美しいだなんて、私の悩みをそんなキレイな言葉で飾らないで欲しいと思った

(いまのはばかがはつげんしたいけんというだけで、けっしてばかないけんではありません)

今のはバカが発言した意見というだけで、決してバカな意見ではありません

(どうじまちゃんも、ゆめをあきらめるんなら、じぶんであきらめないと)

瞳島ちゃんも、夢を諦めるんなら、自分で諦めないと

(ぱぱとままがかわいそうだよ。まぁ、かわいそうじゃなくて、めいわくね！)

パパとママが可哀想だよ。まぁ、可哀想じゃなくて、迷惑ね！

(なにかをまちがっていたのだ。)

何かを間違っていたのだ。

(きっと、わたしは・・・・・・なにかをまちがえ、１０ねんかんをぼうにふったのだ)

きっと、私は……何かを間違え、10年間を棒に振ったのだ

(だから、どんなけつろんがみちびきだされたとしても、さきぐちせんぱいのせいになんてしない。)

だから、どんな結論が導き出されたとしても、咲口先輩のせいになんてしない。

(びしょうねんたんていだんのせいになんてしない)

美少年探偵団のせいになんてしない

(どんなけつろんも、どんなすいりも、まちがえつづけたわたしのせきにんとして、うけとめる。)

どんな結論も、どんな推理も、間違え続けた私の責任として、受け止める。

(おとなのじじょうがどうであろうと、かんけいありません。わたしたちは、しょうねんです)

大人の事情がどうであろうと、関係ありません。私達は、少年です

(びしょうねんたんていだん・・・・・・だめだ、うれしい・・・・・・いっしょにいてくれることが、うれしい。)

美少年探偵団……ダメだ、嬉しい……一緒にいてくれることが、嬉しい。

(みかたでいてくれることが、うれしい・・・・・・)

味方でいてくれることが、嬉しい……

(ねえ、そうとういんくん。しつもんしてもいい？)

ねえ、双頭院くん。質問してもいい？

(そのしつもんがうつくしければ。)

その質問が美しければ。

(あんしんしたまえ、どうじままゆみくん。)

安心したまえ、瞳島眉美くん。

(ぼくたちはしゅひぎむはまもらないが、いらいにんはまもるのだよ)

僕達は守秘義務は守らないが、依頼人は守るのだよ

(ぼくはしんでれらがなにもしていないとはおもわない。)

僕はシンデレラが何もしていないとは思わない。

(いじわるなままははのもとでかのじょがたえたくなんのひびは、むくわれるにじゅうぶんたるものだ。)

意地悪な継母の元で彼女が耐えた苦難の日々は、報われるに充分足るものだ。

(むくわれないほうがどうかしている。)

報われない方がどうかしている。