POSEIDON

(しんだなみをおとせすいちゅうに)

死んだ濤を落とせ水中に

(はいそうしてたずねるとうげんきょう)

敗走して尋ねる桃源郷

(くうろんかきだせどしんすいし)

空論掻き出せど浸水し

(いずこへともながるるしお)

何処へとも流るる潮

(はいじんをけぎらうさいじんも)

灰人を気嫌う彩人も

(いっせいでわずららいじんも)

一斉で煩う来人も

(いっさいをしりめにふううんじ)

一切を尻目に風雲児

(うたってみようか)

唄ってみようか

(おどれみずのむしろ)

踊れ水の筵

(ながされてたどりついたせかいのうら)

流されてたどり着いた世界の裏

(ぼくらはただくらんでただうずいていた)

僕らはただ眩んでただ疼いていた

(こえてゆけやがてしんかいのかなたで)

超えてゆけやがて深海の彼方で

(ころがるかんてらにひをともして)

ころがるカンテラに火を灯して

(かみさまもきづいちゃいないあらしのおと)

神様も気づいちゃいない嵐の音

(むかえにいくんだ)

迎えに行くんだ

(ねえあたまかしげからんからんと)

無え頭傾げカランカランと

(かえすおりのねがしゃんしゃんと)

返す澱の音がシャンシャンと

(ひょうしをとがめどちんでんし)

拍子を咎めど沈殿し

(なまえをください)

名前を下さい

(まんげつがちかづくかいがんせん)

満月が近づく海岸線

(こいじをほしがるまーめいど)

恋路を欲しがるマーメイド

(じゅうりょくをほしがるしんかいぎょ)

重力を欲しがる深海魚

(かたってみようか)

語ってみようか

(さとれみずのむしろ)

悟れ水の筵

(にげのびたがらんどうのあおのきょうかい)

逃げ延びたがらんどうの青の境界

(かわいたくうきがねんまくをおかすころ)

渇いた空気が粘膜を犯す頃

(とおりすぎたついおくはてのひらに)

通り過ぎた追憶は掌に

(あのひつんだはなをかえすんだ)

あの日積んだ花を還すんだ

(そしていまもとおくうしなったたいようをさがして)

そして今も遠く喪った太陽を探して

(とりつかれたふねはすすむんだろう)

取り憑かれた船は進むんだろう

(かおをあらってひがしをめざそうか)

顔を洗って東を目指そうか

(そうぞうしろたわいもないめろでぃを)

想像しろ他愛もないメロディを

(あいのあるうそを)

愛のある嘘を

(ひどくけんだくしたきぼうやゆめをこめて)

酷く懸濁した希望や夢を込めて

(あふれたそのきほうがとんですだつころ)

溢れたその気泡が飛んで巣立つ頃

(とおりすぎたついおくはてのひらに)

通り過ぎた追憶は掌に

(あのひつんだはなをかえしいろをつけていく)

あの日摘んだ花を還し色をつけていく

(ながされてたどりついたせかいのうら)

流されてたどり着いた世界の裏

(ぼくらはたださけんでときにないていた)

僕らはただ叫んで時に泣いていた

(こえてゆけやがてしんかいのかなたで)

超えてゆけやがて深海の彼方で

(ころがるかんてらにひをともして)

ころがるカンテラに火を灯して

(かみさまもきづいちゃいないあらしのおと)

神様も気づいちゃいない嵐の音

(むかえにいくんだ)

迎えに行くんだ