Welcome to The Rock

(ほくべいのほくとうのはて にゅーふぁんどらんどというしまにくうこうがある)

北米の北東の果て ニューファンドランドという島に空港がある

(かつてはせかいさいだいのくうこうのひとつだった)

かつては世界最大の空港の一つだった

(そのよこにあるまちががんだー)

その横にある町がガンダー

(まちにはけいかんふたりのけいさつしょと)

町には警官二人の警察署と

(しょうがっこう)

小学校

(どうぶつあいごきょうかい)

動物愛護協会

(じもとてれびきょく)

地元テレビ局

(ほっけーりんくがある)

ホッケーリンクがある

(ちいさなまちだ おおうなばらにつきでたきょだいないわのうえ)

小さな町だ 大海原に突き出た巨大な岩の上

(ぜんいんがかおみしり そしてそこにいるぜんいんにそれぞれのものがたりがある)

全員が顔見知り そしてそこにいる全員にそれぞれの物語がある

(あのひがどんなふうにしてはじまったか)

あの日がどんな風にして始まったか

(うぇるかむとぅざろっく わからないだろう)

ウェルカムトゥザロック 分からないだろう

(このしまのはなしのはんぶんも)

この島の話の半分も

(しまがにんげんをつくることも)

島が人間を作ることも

(とおくからきたひとには)

遠くから来た人には

(うぇるかむとぅざろっく)

ウェルカムトゥザロック

(あのあさわたしはきょうしつにいた)

あの朝私は教室にいた

(しんがっきいちにちめなのにすくーるばすがすとらいき)

新学期一日目なのにスクールバスがストライキ

(わたしがかわりをしてる あねっとがちこくしてるから)

私が変わりをしてる アネットが遅刻してるから

(ごめんびゅーらこどもたちどう)

ごめんビューラ　子供たちどう？

(たいしてげんきじゃないわ こんなてんきのいいひにきょうしつにいるんだから)

大して元気じゃないわ こんな天気のいい日に教室にいるんだから

(だからわたし けさはごぜんちゅうのじゅぎょうだけやるっていったの)

だから私 今朝は午前中の授業だけやるって言ったの

(こどもたちはおおよろこび ごごにのこりをやるっていうまでは)

子供たちは大喜び 午後に残りをやるって言うまでは

(ここのてんきははげしくあれる)

ここの天気は激しく荒れる

(ひとはやさしいそらはきびしい)

人は優しい空は厳しい

(あまりにとおいゆめよでぃずにーらんど)

あまりに遠い夢よ　ディズニーランド

(ふぃっしゅあんどちっぷす)

フィッシュアンドチップス

(このにゅーふぁんどらんど)

このニューファンドランド

(うぇるかむとぅざろっく)

ウェルカムトゥザロック

(そうわれら)

そう　我ら

(このしまのたみ)

この島の民

(そうわれらこのしまのたみ)

そう　我らこの島の民

(そうわれらこのしまのたみ)

そう　我らこの島の民

(そうわれらこのしまのたみ)

そう　我らこの島の民

(あのあさおれはくうこうにいた)

あの朝俺は空港にいた

(こどもたちが くうこうどおりをわたってつうがくしている)

子供たちが 空港通りを渡って通学している

(それにあのじかんたいは つうきんやらなんやらでちょっとせわしい)

それにあの時間帯は 通勤やらなんやらでちょっとせわしい

(だからおれはうんてんせきにすわって すぴーどいはんをみはってる)

だから俺は運転席に座って スピード違反を見張ってる

(でいはんしゃりょうをみつけると ｋｓｄｂってかいてきっぷをきるんだ)

で　違反車両を見つけると KSDBって書いて切符を切るんだ

(くそみてえなすぴーどだすなばか)

クソみてえなスピード出すなバカ

(すさまじいふゆにころされかけても)

凄まじい　冬に殺されかけても

(ころされないけっして)

殺されない決して

(うみがあれひきずりこもうとしても)

海が荒れ　引きずり込もうとしても

(さらわれないけっして)

さらわれない　決して

(うばわれたいとしいひとそれでも)

奪われた愛しい人　それでも

(いきぬいてゆく)

生き抜いてゆく

(ふきあれるかぜのだいち)

吹き荒れる風の大地

(まけはしない)

負けはしない

(あのあさこどもたちをがっこうにおくってから どうぶつあいごきょうかいにむかった)

あの朝　子供たちを学校に送ってから 動物愛護協会に向かった

(そこでほかのこたちとあった)

そこでほかの子たちと会った

(みんなわんわんにゃんにゃん ごはんちょうだいおなかなでてって)

みんなワンワン　ニャンニャン ごはん頂戴　おなか撫でてって

(べつにいやじゃないあいしてっから)

別に嫌じゃない愛してっから

(でもごはんをやりおえたころには もうにんげんのこどもをむかえにいくじかん)

でもご飯をやり終えたころには もう人間の子供を迎えに行く時間

(だからちょっとひといきいれる)

だからちょっと一息入れる

(くるまのなかで)

車の中で

(わたしはしょくいんしつ)

私は職員室

(わたしはとしょしつ)

私は図書室

(らじおをつける)

ラジオをつける

(ここにあなたはいます)

ここにあなたはいます

(せかいのはてはじまりのとき)

世界の果て　はじまりの時

(そうかわとうみがであう)

そう川と海が出会う

(こことそことのはざま)

こことそことの狭間

(すぴーどいはんをみはってるとぼにーがきて)

スピード違反を見張ってるとボニーが来て

(くるまをとめておれにむかって ひっしにてをふってくる)

車を止めて俺に向かって 必死に手を振ってくる

(だからまどをあけるとぼにーは)

だから窓を開けるとボニーは

(おずらじおをつけて)

オズ　ラジオをつけて

(ああおちつけとにー)

ああ　落ち着けトニー

(あーもう)

あーもう

(らじおをつけて)

ラジオをつけて！

(このしまで)

この島で

(きょくでのしごとのしょにち)

局での仕事の初日

(はじまった)

始まった

(すとちゅうのなかまにこーひーをかう)

スト中の仲間にコーヒーを買う

(それぞれの)

それぞれの

(たばこきゅうけいのごふんまえ)

タバコ休憩の五分前

(ものがたり)

物語

(おれはくうこうにしゅっきんとちゅう)

俺は空港に出勤途中

(このしまはこのきりと)

この島はこの霧と

(そらとうみとのあいだのすべて)

空と海との間のすべて

(まどべにはあかりともし)

窓辺には明かり灯し

(たびだちはけっしてわかれじゃない)

旅立ちは決して別れじゃない

(せかいがりくにのりあげたとき)

世界が陸に乗り上げた時

(みなとがほしけりゃどあはあいてる)

港が欲しけりゃドアは開いてる

(あらしのなかすべてのりこえてとおくからきたひとへ)

嵐の中全て乗り越えて遠くから来た人へ

(うぇるかむとぅざろっく)

ウェルカムトゥザロック！