夏目漱石「こころ」3-17

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投稿者投稿者たけしいいね1お気に入り登録
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夏目漱石「こころ」3-17
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。

オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4:欺むいた(あざむいた)
6:賞め抜いていた(ほめぬいていた)
7:論理(ロジック)
12:公け(おおやけ)
19:居る(おる)
31:畠地(はたち)
40:陥し入れた(おとしいれた)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すみません、少し長いかもです。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8320 8.4 98.3% 253.1 2143 37 40 2024/05/29
2 subaru 8182 8.5 96.3% 252.6 2149 82 40 2024/05/21
3 □「いいね」する 7971 8.1 97.5% 264.7 2164 54 40 2024/05/20
4 HAKU 7585 7.9 95.6% 272.1 2162 98 40 2024/05/20
5 ヤス 7409 7.7 95.2% 277.2 2162 108 40 2024/05/19

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問題文

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(わたくしとおじのあいだにしんせきのものがはいりました。)

私と叔父の間に親戚のものが這入りました。

(そのしんせきのものもわたくしはまるでしんようしていませんでした。)

その親戚のものも私はまるで信用していませんでした。

(しんようしないばかりでなく、むしろてきししていました。)

信用しないばかりでなく、寧ろ敵視していました。

(わたくしはおじがわたくしをあざむいたとさとるとともに、)

私は叔父が私を欺むいたと覚ると共に、

(ほかのものもかならずじぶんをあざむくにちがいないとおもいつめました。)

他のものも必ず自分を欺くに違いないと思い詰めました。

(ちちがあれだけほめぬいていたおじですらこうだから、)

父があれだけ賞め抜いていた叔父ですらこうだから、

(ほかのものはというのがわたくしのろじっくでした。)

他のものはというのが私の論理でした。

(それでもかれらはわたくしのために、)

それでも彼等は私のために、

(わたくしのしょゆうにかかるいっさいのものをまとめてくれました。)

私の所有にかかる一切のものを纏めてくれました。

(それはきんがくにみつもると、わたくしのよきよりはるかにすくないものでした。)

それは金額に見積ると、私の予期より遥かに少ないものでした。

(わたくしとしてはだまってそれをうけとるか、)

私としては黙ってそれを受け取るか、

(でなければおじをあいてどっておおやけざたにするか、)

でなければ叔父を相手取って公け沙汰にするか、

(ふたつのほうほうしかなかったのです。)

二つの方法しかなかったのです。

(わたくしはいきどおりました。またまよいました。)

私は憤りました。又迷いました。

(そしょうにするとらくちゃくまでにながいじかんのかかることもおそれました。)

訴訟にすると落着までに長い時間のかかる事も恐れました。

(わたくしはしゅうぎょうちゅうのからだですから、)

私は修業中のからだですから、

(がくせいとしてたいせつなじかんをうばわれるのはひじょうのくつうだともかんがえました。)

学生として大切な時間を奪われるのは非常の苦痛だとも考えました。

(わたくしはしあんのけっか、)

私は思案の結果、

(しにおるちゅうがくのきゅうゆうにたのんで、わたくしのうけとったものを、)

市に居る中学の旧友に頼んで、私の受け取ったものを、

(すべてかねのかたちにかえようとしました。)

凡て金の形に変えようとしました。

など

(それはきんがくにみつもると、わたくしのよきよりはるかにすくないものでした。)

それは金額に見積ると、私の予期より遥かに少ないものでした。

(きゅうゆうはよしたほうがとくだといってちゅうこくしてくれましたが、)

旧友は止した方が得だといって忠告してくれましたが、

(わたくしはききませんでした。)

私は聞きませんでした。

(わたくしはながくこきょうをはなれるけっしんをそのときおこしたのです。)

私は長く故郷を離れる決心をその時起したのです。

(おじのかおをみまいとこころのうちでちかったのです。)

叔父の顔を見まいと心のうちで誓ったのです。

(わたくしはくにをたつまえに、またちちとははのはかへまいりました。)

私は国を立つ前に、又父と母の墓へ参りました。

(わたくしはそれぎりそのはかをみたことがありません。)

私はそれぎりその墓を見た事がありません。

(もうえいきゅうにみるきかいもこないでしょう。)

もう永久に見る機会も来ないでしょう。

(わたくしのきゅうゆうはわたくしのことばどおりにとりはからってくれました。)

私の旧友は私の言葉通りに取計らってくれました。

(もっともそれはわたくしがとうきょうへついてからよほどたったあとのことです。)

尤もそれは私が東京へ着いてから余程経った後の事です。

(いなかではたちなどをうろうとしたってよういにはうれませんし、)

田舎で畠地などを売ろうとしたって容易には売れませんし、

(いざとなるとあしもとをみてふみたおされるおそれがあるので、)

いざとなると足元を見て踏み倒される恐れがあるので、

(わたくしのうけとったきんがくは、じかにくらべるとよほどすくないものでした。)

私の受け取った金額は、時価に比べると余程少ないものでした。

(じはくすると、わたくしのざいさんはじぶんがふところにしていえをでたじゃっかんのこうさいと、)

自白すると、私の財産は自分が懐にして家を出た若干の公債と、

(あとからこのゆうじんにおくってもらったかねだけなのです。)

後からこの友人に送って貰った金だけなのです。

(おやのいさんとしてはもとよりひじょうにへっていたにそういありません。)

親の遺産としては固より非常に減っていたに相違ありません。

(しかもわたくしがせっきょくてきにへらしたのでないから、なおこころもちがわるかったのです。)

しかも私が積極的に減らしたのでないから、猶心持が悪かったのです。

(けれどもがくせいとしてせいかつするにはそれでじゅうぶんいじょうでした。)

けれども学生として生活するにはそれで充分以上でした。

(じつをいうとわたくしはそれからでるりしのはんぶんもつかえませんでした。)

実をいうと私はそれから出る利子の半分も使えませんでした。

(このよゆうあるわたくしのがくせいせいかつがわたくしをおもいもよらないきょうぐうにおとしいれたのです。)

この余裕ある私の学生生活が私を思いも寄らない境遇に陥し入れたのです。

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