あなたは海の底

(まっさかさまになった。 そうがんきょうをのぞいたら、)

マッサカサマになった。 双眼鏡をのぞいたら、

(わたしのみらいはみえますか？ あなたはうみのそこ。)

私の未来は見えますか？ あなたは海の底。

(かなでるこいをよちしよう。 あなたはいつかこういった。)

奏でる恋を予知しよう。 あなたはいつかこう言った。

(ふたりはふねにのったまま、 ゆらゆらゆられたびにでる。)

二人は船に乗ったまま、 ユラユラ揺られ旅に出る。

(むねとむね、ほおとほお、 なみだでぬれたくちびると、)

胸と胸、頬と頬、 涙で濡れた唇と、

(ゆびとゆび、はなさないで。 ふたりをしんじいのるだけよ。)

指と指、離さないで。 二人を信じ祈るだけよ。

(まっさかさまになった。 そうがんきょうをのぞいたら、)

マッサカサマになった。 双眼鏡をのぞいたら、

(わたしのみらいはみえるかな？ あなたはうみのそこ。)

私の未来は見えるかな？ あなたは海の底。

(くじらのせにきざんでみよう、 ふたりのなまえとあいのことば。)

くじらの背に刻んでみよう、 二人の名前と愛の言葉。

(たえずくちづけをだきあうよるを、 むすんだあかいいと。)

絶えずくちづけを抱き合う夜を、 結んだ赤い糸。

(かわすことば、てのぬくもり、 みつめあうふかいひとみ、)

交す言葉、手のぬくもり、 見つめ合う深い瞳、

(わすれない、かたときも、 わたしのからだいたむかぎり。)

忘れない、片時も、 私の体痛む限り。

(すすむふねはいまひとり。 なみまにそそぐつきひ。)

進む船は今一人。 波間に注ぐ月日。

(わたしのなみだですきとおれ。 あなたはうみのそこ。)

私の涙で透き通れ。 あなたは海の底。

(とびこんだうみのみずは、 つめたくてやわらかくて、)

飛び込んだ海の水は、 冷たくて柔らかくて、

(あぶくのなかにしずみました。 ゆうひがきれいです。)

アブクの中に沈みました。 夕陽がキレイです。

(まっさかさまになった。 そうがんきょうをのぞいたら、)

マッサカサマになった。 双眼鏡をのぞいたら、

(わたしのみらいはみえますか？ あなたはうみのそこ。)

私の未来は見えますか？ あなたは海の底。