さだまさし 思い出暮らし

(あのころはよかったなんて)

あの頃は良かったなんて

(くちにだしていうもんじゃないよ)

口に出して言うもんじゃないよ

(たぶんおもいでのよいとこだけを)

多分思い出の良いとこだけを

(あのころとよびたがる)

「あの頃」と呼びたがる

(もしかしてあのときなんて)

「もしかしてあの時」なんて

(にげこみたくもなるけどまって)

逃げ込みたくもなるけど 待って

(それでうまくいかないことだけに)

それで上手くいかないことだけに

(もしもをおしつける)

「もしも」を押しつける

(だれだっておもいでぐらしのほうがいいさ)

誰だって思い出暮らしの方が良いさ

(いいことだけならね)

良いことだけならね

(かすみでもくってかがみみないで)

霞でも食って 鏡見ないで

(としだけとってばかにわらって)

歳だけ取って バカに笑って

(うまれていきてしぬだけなんだったらそれもいい)

生まれて生きて死ぬだけなんだったらそれも良い

(みらいはわるいことだけ)

未来は悪い事だけ

(つれてくるもんだなんておびえるなんて)

連れてくるもんだなんて怯えるなんて

(うしろむきのおもいでぐらしにはまだまだわかすぎる)

後ろ向きの思い出暮らしにはまだまだ若すぎる

(きおくのなかだけのひーろー)

記憶の中だけのヒーロー

(せぴあいろのじぶんでんせつ)

セピア色の自分伝説

(そんなもんはやくすてちまって)

そんなモン早く捨てちまって

(たかだかのぼくになれ)

たかだかの僕になれ

(きずぐちからくさるあいつ)

傷口から腐るあいつ

(きずぐちからつよくなるあいつ)

傷口から強くなるあいつ

(ひとつだけむねにきざみたい)

一つだけ胸に刻みたい

(ぼくらはいまをいきる)

僕らは今を生きる

(だれだっておもいでぐらしのほうがいいさ)

誰だって思い出暮らしの方が良いさ

(やなことからにげて)

嫌なことから逃げて

(こころをひらいてこころでみて)

心を開いて 心で見て

(うけとめたいいのちのわけ)

受け止めたい 生命の理由

(せっかくうまれていきているんだったらもったいない)

折角生まれて生きているんだったら勿体ない

(あのころはよかったはず)

あの頃は良かったはず

(えいえんにかこはうつくしい)

永遠に過去は美しい

(うしろむきのおもいでぐらしなどまだまだはやすぎる)

後ろ向きの思い出暮らしなどまだまだ早すぎる

(あのころはよかったなんて)

あの頃は良かったなんて

(くちにだしていうもんじゃないよ)

口に出して言うもんじゃないよ

(たぶんおもいでのよいとこだけを)

多分思い出の良いとこだけを

(あのころとよびたがる)

「あの頃」と呼びたがる