月花ノ姫歌

(めぐるひととせ)

めぐるひととせ

(またすぎるひととせ)

またすぎるひととせ

(めぐるひととせ)

めぐるひととせ

(またすぎるひととせああ)

またすぎるひととせああ

(たけのはゆれるよいはこいうたくれるきみと)

竹の葉揺れる宵は恋歌くれる君と

(さいてまたちるははな)

咲いてまた散るは花

(このきもちもいつかはすたる？)

この気持ちもいつかは廃る？

(まわれまわれほしとかざぐるま)

まわれまわれ星と風車

(くもまのつきへのみちよくちて)

雲間の月への道よ朽ちて

(ここにここにいるだけでもいい)

ここにここにいるだけでもいい

(しのびさくなみだばな)

忍び咲く涙花

(はづきのじゅうごや)

葉月の十五夜

(なよたけのしらべ)

なよ竹の調べ

(めぐるひとつき)

めぐる一月

(またすぎるひとつき)

またすぎる一月

(めぐるひとつき)

めぐる一月

(またすぎるひとつきうう)

またすぎる一月うう

(ほたるぶくろにいれてこのむしあつささえも)

蛍袋に入れてこの蒸し暑ささえも

(とおいあのそらのさきめにうつるはただのにびいろ)

遠いあの空の先目にうつるはただの鈍色

(きえてきえてひかりとかけはし)

消えて消えて光と架け橋

(あめにぬれてきえさってしまえ)

雨にぬれて消え去ってしまえ

(ゆらげゆらげさわききょうのあお)

揺らげ揺らげ沢桔梗の青

(このみこころねじばな)

この身心捩花

(みなみかぜふかばちくりんのかざね)

南風吹かば竹林の風音

(すぎしきせつを)

過ぎし季節を

(もうもどらぬときを)

もう戻らぬ時を

(すぎしきせつを)

過ぎし季節を

(もうもどらぬときをんん)

もう戻らぬ時をんん

(たけのはゆれるよいをおもいだしてささゆり)

竹の葉揺れる宵を思い出して笹百合

(ちかくちかくなったわ)

近く近くなったわ

(このあおさあじさいのしずく)

この青さ紫陽花の雫

(まわれまわれほしとかざぐるま)

まわれまわれ星と風車

(くもまのつきへのみちよくちて)

雲間の月への道よ朽ちて

(ここにここにいるはずではない？)

ここにここにいるはずではない？

(しのびさくなみだばな)

忍び咲く涙花

(みなみかぜふいてきみのかおり)

南風吹いて君の香り

(きえてきえてひかりとかけはし)

消えて消えて光と架け橋

(あめにぬれてきえさってしまえ)

雨にぬれて消え去ってしまえ

(ゆらげゆらげさわききょうのあお)

揺らげ揺らげ沢桔梗の青

(このみこころねじばな)

この身心捩花

(みなみかぜふかばちくりんのかざね)

南風吹かば竹林の風音