ゴーストノート

(ひをおうごとに)

日を追うごとに

(おもくなっていくびょうしんのおもさに)

重くなっていく秒針の重さに

(きもちのこもったこえも、)

気持ちのこもった声も、

(すぐにとけてきえてしまう)

すぐに　溶けて　消えてしまう

(あのこのいえはもうとりこわされた)

あの子の家はもう取り壊された

(またひとつおもいでといまが)

またひとつ思い出と現在が

(きりはなされた。)

切り離された。

(むねにあいてしまった)

胸に空いてしまった

(あなはそのままにして。)

穴はそのままにして。

(「いいたかった」)

「言いたかった」

(「いえなかった」)

「言えなかった」

(「しらないままなら」)

「知らないままなら」

(「しりたくはなかった」)

「知りたくはなかった」

(ｉ’ｍｇｈｏｓｔぼくをゆうれいみたいにみおろして)

I'm ghost　 ぼくを幽霊みたいに見下ろして

(ふかんですぎるひび)

俯瞰で過ぎる日々

(いつか、きみからほしかったのは、)

いつか、君から欲しかったのは、

(ほんとうは「つぎの」やくそくだけで)

本当は「次の」約束だけで

(つうかしていくだけのこころのじょうげに)

通過していくだけの心の上下に

(ふりまわされてしまっても)

ふりまわされてしまっても

(なんでぼくはただしくなんてあろうとするんだろう)

なんで僕は正しくなんてあろうとするんだろう

(どうしてまちがっているとせめたの？)

どうしてまちがっていると責めたの？

(すみっこでいい。)

すみっこでいい。

(かけらでいい。)

かけらでいい。

(さよならしない)

さよならしない

(ほんものがほしくて。)

ほんものが欲しくて。

(ｉ’ｍｇｈｏｓｔたばこのけむりがそらにあがる)

I'm ghost　煙草の煙が空にあがる

(いちばんぼしはどれだった？)

一番星はどれだった？

(たえられないってないた)

耐えられないって泣いた

(それでもたえてきた。)

それでも耐えてきた。

(ぼくは)

僕は

(ｉ’ｍｇｈｏｓｔきもちのひとつぶをかみくだき)

I'm ghost　気持ちの一粒を噛み砕き

(ぼくはまたじめんをける)

僕はまた地面を蹴る

(えらんだこたえがまちがいでも)

選んだ答えが間違いでも

(えらびとれた、ことをほこれるように。)

選び取れた、事を誇れるように。

(どうか。)

どうか。

(どうか。)

どうか。