ジョバイロ

(ひとはだれもあわれなほしまたたいてはながれてゆく)

人は誰も哀れな星　瞬いては流れてゆく

(もえつきるとしりながらもだれかにきづいてほしかった)

燃え尽きると知りながらも誰かに気付いて欲しかった

(むねにさしたいちりんのばらがあかいとかげにかわるよる)

胸に挿した一輪の薔薇が赤い蜥蜴に変わる夜

(つめたくぬれたしたにさぐりあてられたこどくになれたこころ)

冷たく濡れた舌に探りあてられた孤独に慣れた心

(ぶたいのまんなかにおどりでるほどの)

舞台の真ん中に踊り出るほどの

(やくどころじゃないとじぶんがわかっている)

役どころじゃないと自分がわかっている

(あなたがきづかせたこいがあなたなしでそだっていく)

あなたが気付かせた恋が　あなたなしで育っていく

(かなしいはなつけるまえにちいさなめをつんでほしい)

悲しい花つける前に小さな芽を摘んでほしい

(やみにうかんだかがりびにてらされたらじょばいろじょばいろ)

闇に浮かんだ篝火に照らされたら　ジョバイロジョバイロ

(それでもよるがやさしいのはみてみぬふりしてくれるから)

それでも夜が優しいのは見て見ぬ振りしてくれるから

(ぎんのかみかざりおとしていったのは)

銀の髪飾り　落としていったのは

(このむねつらぬくやいばのかわりか)

この胸貫く刃の代わりか

(おれかけのぺんでものがたりをすこし)

折れかけのペンで　物語を少し

(かえようとしたらいびつなきげきになった)

変えようとしたら歪な喜劇になった

(そらのひろさをしるすときひとはなにではかるのだろう)

宇宙（そら）の広さを記すとき人は何で測るのだろう？

(このおもいをつたえるときぼくはどんなことばにしよう)

この想いを伝えるとき僕はどんな言葉にしよう？

(あなたのとなりにいるじぶんをうまくおもいえがけない)

あなたの隣にいる自分をうまく想い描けない

(はぐれないようからめていたのはゆびじゃなくふあんだった)

はぐれないよう絡めていたのは指じゃなく不安だった

(あなたがきづかせたこいがあなたなしでそだっていく)

あなたが気付かせた恋が　あなたなしで育っていく

(かなしいはなつけるまえにちいさなめをつんでほしい)

悲しい花つける前に小さな芽を摘んでほしい

(やみにうかんだかがりびにてらされたらじょばいろじょばいろ)

闇に浮かんだ篝火に照らされたら　ジョバイロジョバイロ

(それでもよるがやさしいのはみてみぬふりしてくれるから)

それでも夜が優しいのは見て見ぬ振りしてくれるから