最低人間

(じぶんのことがきらいになった)

自分のことが嫌いになった

(すべてどうでもいいとおもえた)

全てどうでもいいと思えた

(こんなくだらないせかいなんて)

こんな下らない世界なんて

(いっそいっそ)

いっそいっそ

(きえてしまえ)

消えてしまえ

(げこうとちゅうのえきのあなうんす)

下校途中の駅のアナウンス

(じんしんじこがあったらしい)

人身事故があったらしい

(くずれおちたははおやのなみだと)

崩れ落ちた母親の涙と

(それをかげでいうひと)

それを陰で言う人

(どうせろくなにんげんじゃないだろ？)

「どうせロクな人間じゃないだろ？」

(べつのばしょでしねばいいのに)

「別の場所で死ねばいいのに」

(そんなこころないやつらとぼくもおなじめだ)

そんな心無い奴らと僕も同じ目だ

(ぼくはさいていなにんげん)

僕は最低な人間

(いってきのなみだすらもながれない)

一滴の涙すらも流れない

(しょせんたにんごとなんだ)

所詮他人事なんだ

(じぶんのことじゃないから)

自分のことじゃないから

(みたくないものにめをふせて)

見たくないものに目を伏せて

(むれにひそんではみをかくしている)

群れに潜んでは身を隠している

(だれもがみむきもしない)

誰もが見向きもしない

(そんなせかいにいやけがさしてくる)

そんな世界に嫌気がさしてくる

(ふみきりのおとがなりひびく)

踏切の音が鳴り響く

(このままあしをふみだせば)

このまま足を踏み出せば

(どこへにもいけるきがして)

何処へにも行ける気がして

(じゆうになりたかったんでしょう？)

「自由になりたかったんでしょう？」

(あしたぼくがしぬのなら)

明日僕が死ぬのなら

(ぼくのためにないてくれるかな)

僕の為に泣いてくれるかな

(かなしむひとがいるひとたちが)

悲しむ人がいる人達が

(うらやましくおもうんだ)

羨ましく思うんだ

(もしもうまれかわれるなら)

もしも生まれ変われるなら

(もういちどやりなおせるのなら)

もう一度やり直せるのなら

(こんなよごれたせかいでももっとわらえたかな)

こんな汚れた世界でももっと笑えたかな

(ぼくはきみとおなじにんげん)

僕は君と同じ人間

(なのにすがたかたちがちがうからと)

なのに姿形が違うからと

(ぼくをひていするんだ)

僕を否定するんだ

(きみはみかたじゃないから)

君は味方じゃないから

(たすけをよぶこえだって)

助けを呼ぶ声だって

(だれもすくいのてなんてのばさない)

誰も救いの手なんて伸ばさない

(みながしらぬふりをして)

皆が知らぬ振りをして

(せかいにひとりおいていかれたんだ)

世界に一人置いて行かれたんだ

(きらいだったんだ)

嫌いだったんだ

(せかいをにくんでいた)

世界を憎んでいた

(かなしいことが)

悲しいことが

(いきることがただつらかった)

生きることがただ辛かった

(なにもしなかった)

何もしなかった

(なにもできなかった)

何も出来なかった

(きみのせいだ)

君のせいだ

(すべてぼくのせいだって)

全て僕のせいだって

(ぼくはさいていなにんげん)

僕は最低な人間

(しにそこないのじさつしがんしゃ)

死に損ないの自殺志願者

(だれかにいってほしくて)

誰かに言って欲しくて

(むだないのちはないよって)

「無駄な命はないよ」って

(ぼくは)

僕は

(ぼくはさいていなにんげん)

僕は最低な人間

(いってきのなみだすらもながれない)

一滴の涙すらも流れない

(すべてあきらめてたんだ)

全て諦めてたんだ

(じぶんをおしころしては)

自分を押し殺しては

(ぼくはせかいがきらいだ)

僕は世界が嫌いだ

(それいじょうにぼくじしんがきらいなんだ)

それ以上に僕自身が嫌いなんだ

(だけどわるいばかりじゃない)

だけど悪いばかりじゃない

(だからよけいにいやけがさすんだ)

だから余計に嫌気がさすんだ