影踏みエトランゼ

(くつをならしていやふぉんぶらさげて)

靴を鳴らして　イヤフォンぶら下げて

(しかめっつらでひとりためいきはいた)

しかめっ面で　ひとり、ため息吐いた

(たべかけのちょこひとくちかじってうえをむく)

食べかけのチョコ　一口かじって上を向く

(うそつきおほしさまながれてみせて)

「嘘つきお星様　流れてみせて」

(こいしけりあげとおくやみにきえて)

小石蹴り上げ　遠く闇に消えて

(うそつきおつきさまみおろすせかいはちっぽけね)

「嘘つきお月様　見下ろす世界はちっぽけね」

(どこにいけるのおもたいあしかせをつけたまま)

何処に行けるの？　重たい足枷をつけたまま

(どこにいこうかくつをぬぎすてて)

何処に行こうか？　靴を脱ぎ捨てて

(こえをからしてくらやみてさぐりむがむちゅう)

声を嗄らして　暗闇手探り無我夢中

(いきがつまるわはいいろのげんじつに)

息が詰まるわ　灰色の世界(げんじつ)に

(もしもあたしがじゆうにおよげるさかななら)

もしもあたしが　自由に泳げる魚なら

(うみのそこからつめたいじめんをあざわらう)

海の底から　冷たい地面をあざ笑う！

(あしおとけしてそっとみみをすませ)

足音消して、そっと耳を澄ませ

(うすくわらったまだゆめをみているの)

薄く笑った　まだ夢を見ているの？

(だれがいったのひとりじゃいきられないなんて)

誰が言ったの？　「ひとりじゃ生きられない」なんて

(だれにいったのそのめひらかずに)

誰に言ったの？　その目開かずに

(こえをあげずになみだをこぼしてなんかいめ)

声を上げずに　涙をこぼして何回目？

(まぶたやきつくとおいげんじつのなか)

瞼焼きつく　遠い世界(げんじつ)の中

(よわいあたしがもとめてせをむけたはこにわに)

弱いあたしが　求めて背を向けた箱庭に

(てをのばしたけれどとどかない)

手を伸ばしたけれど　届かない

(ひとりつめたいひかりとどかないしんかいで)

ひとり　冷たい、光届かない深海で

(みみをふさいでただよいいきられたら)

耳を塞いで　漂い生きられたら

(なにをおもうのかんじょうのられつにつぶされて)

何を想うの？　感情の羅列に潰されて

(なにもしないのてあしにちからをこめたまま)

何もしないの？　手足に力を込めたまま

(こえをからしてくらやみてさぐりむがむちゅう)

声を嗄らして　暗闇手探り無我夢中

(いきができないはいいろのつきあかり)

息ができない　灰色の月明り

(このままやみにこころもからだもとかそうか)

このまま闇に　ココロもカラダも溶かそうか

(ひらりふわりとさきいくだれかのかげをふむ)

ひらり、ふわりと　先行く誰かの影を踏む