地球の空き地

(ひっこしさぎょうのとちゅうみつけたおしいれのだんぼーる)

引っ越し作業の途中　見つけた　押し入れのダンボール

(ひっくりかえすとおもちゃにぶつけてくぼんだぼくのちきゅうぎ)

ひっくり返すと　おもちゃにぶつけて窪んだ　僕の地球儀

(おーすとらりあとにゅーじーらんどのあいだがへこんでて)

オーストラリアと　ニュージーランドの　間がへこんでて

(せきどうをはしってるあかいせんがこげちゃになってた)

赤道を走ってる　赤い線が　焦げ茶になってた

(ぼくのしるせかいはへこんでてさびている)

僕の知る　世界はへこんでて　錆びている

(まどのそとできるだけとおくをみてみたい)

窓の外　出来るだけ遠くを　見てみたい

(そまりあのかいぞくせんきづかぬままにうみへしずむ)

ソマリアの海賊船　気づかぬままに　海へ沈む

(いのちがあるだろう)

命が　あるだろう

(ぼすにあのじゅうげきせんおたけびをあげてきえてゆく)

ボスニアの銃撃戦　雄叫びを上げて　消えてゆく

(いのちがあるだろう)

命が　あるだろう

(つくえのおくにはりついていたきゅうしょくとうばんひょう)

机の奥に張り付いていた　給食当番表

(すきなこんだてにはなまるをつけてまちどおしかったな)

好きな献立に　花まるをつけて　待ち遠しかったな

(めだちたがりやのゆうすけくんとなかよしでよかった)

目立ちたがり屋の　ゆうすけ君と　仲良しでよかった

(たいせつなことをわらったりないたりできてよかったな)

大切な事を笑ったり　泣いたり　出来てよかったな

(ぼくのめにうつったいまをつめこんだ)

僕の目に　映った今を　詰め込んだ

(たからものとりだしてみたらひらめいた)

宝物　取り出してみたら　閃いた

(あめりかぐんのかんせいとうみえるあいてはいつもそばで)

アメリカ軍の　管制塔　見える相手は　いつも傍で

(ただいまといいあうひとがいる)

ただいま　と言い合う人がいる

(むいしきでもむぼうびならきみのこころはふるえるだろう)

無意識でも　無防備なら　君の心は震えるだろう

(ねむってるこころをたたきおこせ)

眠ってる　心を　敲(たた)き起せ

(きこえてるかかんせいとうみえるだれかがこえをはって)

聴こえてるか　管制塔　見える誰かが　声を張って

(うたううたにみさいるをとばすのか)

唄う歌に　ミサイルを飛ばすのか

(あきらめるなかんせいとうじゅうせいにまぎれたうぶごえ)

諦めるな　管制塔　銃声に紛れた　産声

(きこえてるかきこえてるか)

聴こえてるか　聴こえてるか

(ちょっけい３０せんちのちきゅうをもってたびをしたい)

直径30センチの地球を　持って　旅をしたい

(たいせつなことはぼくのめとこころでたしかめたいんだ)

大切な事は　僕の目と心で　確かめたいんだ

(ちきゅうにあきちがあればそこはどんなばしょだろう)

地球に空き地があれば　そこは　どんな場所だろう

(ひこうきもふねもいらないどこかにあるんだろうな)

飛行機も船もいらない　どこかに　あるんだろうな