ペインコントロール

(からだじゅうにくすりさしてぼくはきかいによっていかされる)

体中に薬挿して　僕は機械によって生かされる

(いたみはもうかんじないやほんとうはいたすぎるはずなのに)

痛みはもう感じないや　本当は痛すぎるはずなのに

(これでかれもしあわせでしょうはくいのものたちのこえがひびく)

「これで彼も幸せでしょう」　白衣の者達の声が響く

(そんなわけはないことくらいあなたたちだってわかるでしょう)

そんな訳は無いことくらい　あなた達だって分かるでしょう

(あのひあのじてんでぼくはぼくじゃなくなって)

あの日あの時点で　僕は僕じゃなくなって

(いまこのばにいるのはだれなのか)

今この場にいるのは　誰なのか

(きみをたすけようととびこんだけっかは)

君を助けようと　飛び込んだ結果は

(きたいはずれにしても)

期待はずれにしても

(こんなののぞまないさ)

こんなの望まないさ

(ああもうきえてしまえばいいさ)

ああもう消えてしまえばいいさ

(ぼくのいしではうごかせない)

僕の意志では動かせない

(このてできみをだきしめたい)

この手で君を抱きしめたい

(もうそのねがいもかなわない)

もうその願いも叶わない

(いたくはないけどいたいんだ)

痛くはないけど痛いんだ

(このこころはもうしんでいる)

この心はもう死んでいる

(このきかいはぼくをいかす)

この機械は僕を生かす

(このきかいによってしんでいる)

この機械によって死んでいる

(いっそらくにしておねがい)

いっそ楽にして、お願い。

(きせきてきなせいかんですこれはいきてるといえるのですか)

「奇跡的な生還です」　これは生きてると言えるのですか？

(いしきはもうもどらないとそれならなんでぼくをいかすのか)

「意識はもう戻らない」と　それならなんで僕を生かすのか

(どうとくてきなかんじょうろんしんせつしんのきょうかいせんじょう)

道徳的な感情論　親切心の境界線上

(いまだぼくはべっどのうえきじょうのくうろんをくりかえすの)

未だ僕はベッドの上　机上の空論を繰り返すの

(きみはないていたぼくのためにないてた)

君は泣いていた、僕のために泣いてた

(でもこのばにいるのはぼくじゃない)

でもこの場にいるのは僕じゃない

(できることならばやりなおしてみたい)

出来る事ならば、やり直してみたい

(かみさまおねがいだなんどいのったことか)

”カミサマ”お願いだ　何度祈ったことか

(ああもうきえてしまいたいんだ)

ああもう消えてしまいたいんだ

(このせかいはもううんざりだ)

この世界はもうウンザリだ

(ぼくはなにもわるくない)

僕は何も悪くない

(ぼくがなにをしたっていうの)

僕が何をしたって言うの

(こどくにぼくはきえてくんだ)

孤独に僕は消えてくんだ

(このいたみをぜんぶせおって)

この痛みを全部背負って

(きかいとともにいきてるんだ)

機械と共に生きてるんだ

(このすがたはなんてこっけいだ)

この姿はなんて滑稽だ

(もうむだなんだこんなの)

もう無駄なんだこんなの

(みんなきえてしまえばいいんだ)

皆消えてしまえばいいんだ

(いたみなんかもうかんじない)

痛みなんかもう感じない

(このてですべておわらせたい)

この手で全て終わらせたい

(もうどうなったっていい)

もうどうなったっていい

(ほんとうはすごくおそろしいんだ)

本当は凄く恐ろしいんだ

(じぶんだけきりはなされてる)

自分だけ切り離されてる

(このせかいはぼくをのこす)

この世界は僕を残す

(ぼくはもういちどいきたくて)

僕はもう一度生きたくて

(いたくはないけどいたいんだ)

痛くはないけど痛いんだ

(このこころはまだいきてる)

この心はまだ生きてる

(このきかいでぼくはいきる)

この機械で僕は生きる

(もうそのねがいもかなわない)

もうその願いも叶わない

(つかれたんだおやすみ)

疲れたんだ、お休み･･･。

(さよなら)

さよなら