僕は雨に濡れた/すとぷり/るぅとくん

(こころからわらえないのは)

心から笑えないのは

(はりつけているえがおのせいだ)

ハリツケている笑顔のせいだ

(あめのおちることのない)

雨の落ちることのない

(このやねのしたにしずくがこぼれた)

この屋根の下に雫が零れた

(ひのおもかげのおぼつかないころ)

陽の面影の覚束ない頃

(くらがるそらまちぬらすおとの)

暗がる空街濡らす音

(ひのぬくもりからとおざかるように)

灯のぬくもりから遠ざかるように

(あしはかげにむかう)

足は影に向かう

(どれほどあゆみすすめようが)

どれほど歩み進めようが

(うれうひびからはじつづきで)

憂う日々からは地続きで

(いきたえたこえのはとばにて)

息絶えた声の波止上にて

(くることないむかえをまっている)

来ることない迎えを待っている

(こころからわらえないきょうを)

心から笑えない今日を

(ながしてしまえながしてしまえ)

流してしまえ流してしまえ

(つたうしずくのりゆうを)

伝う雫の理由を

(なきやまないそらそのせいにできるから)

泣き止まない空そのせいにできるから

(ぼくはあめにぬれた)

僕は雨に濡れた

(ひのみがわりががいとうにやどる)

陽の身代わりが街頭に宿る

(むらがるくもまちぬらすおと)

群がる雲　街濡らす音

(よるべさえみつからないねなしぐさ)

寄る辺さえ見つからない根無し草

(ぼくとよくにている)

ぼくとよく似ている

(かわるきせつのせわしなさに)

変わる季節の忙しなさに

(やがてあしなみはずれていく)

やがて足並みはズレていく

(はんぽおくれのやましさだけ)

半歩遅れの疚しさだけ

(かたをならべぼくにつきまとう)

肩を並べ僕に付き纏う

(こころからわらえないのは)

心から笑えないのは

(はりつけているえがおのせいだ)

ハリツケている笑顔のせいだ

(つたうしずくにまかせて)

伝う雫に任せて

(こののろいさえもとりはらえるでしょうか)

この呪いさえも取り払えるでしょうか

(あかりはとけゆく)

明かりは溶けゆく

(あいにまざりよりあかく)

藍に混ざりより紅く

(こころからわらえないこと)

心から笑えないこと

(わすれてしまえわすれてしまえ)

忘れてしまえ忘れてしまえ

(つたうしずくのりゆうを)

伝う雫の理由を

(だれにもしられず)

誰にも知られず

(わらうことできるから)

笑うことできるから

(きょうをわらえないきょうを)

今日を笑えない今日を

(ながしてしまえながしてしまえ)

流してしまえ流してしまえ

(つたうしずくのりゆうを)

伝う雫の理由を

(なきやまないそら)

泣き止まない空

(そのせいにできるから)

そのせいにできるから

(ぼくはあめにぬれた)

僕は雨に濡れた