マーキュリー

(ああさいなんでしまうよ)

ああ　苛んでしまうよ

(うかぶしょうぞうよ)

浮かぶ肖像よ

(またいたいこと)

また痛いこと

(するでしょ)

するでしょ

(えたのーるかんきこんせんとすいそうけいこうまうほこり)

エタノール喚起コンセント水槽蛍光舞う埃

(べんぎじょうはじこだった)

便宜上は事故だった

(まーきゅりー)

マーキュリー

(あるこーるといんすたんとすいがらとせいきゅうしょ)

アルコールとインスタント吸い殻と請求書

(べんぎじょうはははだった)

便宜上は母だった

(まーきゅりー)

マーキュリー

(かすんだかげりおつせんめい)

霞んだ翳り落つ鮮明

(いわく　おまえじしんがゆるさない)

曰く　「お前自身が許さない」

(しあわせなんてまがいもので)

幸せなんて紛い物で

(なにひとつかわってない)

何ひとつ変わってない

(まよなかどあのすきま)

真夜中ドアの隙間

(いつもみられてるのだ)

いつも見られてるのだ

(みせかけはかわいそうで)

見せかけは可哀そうで

(なにもつみなどなくて)

何も罪など無くて

(それでもくるしいのは)

それでも苦しいのは

(やはりばつなのですか)

やはり罰なのですか

(ああさけびはくもり)

ああ　叫びは曇り

(きえたそうでんとう)

消えた送電塔

(いたいいたいよ)

痛い　痛いよ

(いたいよ)

痛いよ

(１１０ばんへんじもーめんと)

110番返事モーメント

(さいれんなんで？しらないの)

サイレン　なんで?知らないの

(けいじじょうはうそだった)

啓示上は嘘だった

(まーきゅりー)

マーキュリー

(れんびんをあおったがいしょうが)

憐憫を煽った 外傷が

(じょうじょうしゃくりょうをみだした)

情状酌量を見出した

(ざんねんなじけんだった)

残念な事件だった

(まーきゅりー)

マーキュリー

(みとった)

看取った

(かんしょくがきょうもよぎる)

感触が今日も過る

(きっとこれからもいえない)

きっとこれからも癒えない

(いかされうばわれやかれ)

生かされ 奪われ 焼かれ

(なにひとつおわってない)

何ひとつ終わってない

(ねむればゆめのなかで)

眠れば夢の中で

(あたまたれてはうのだ)

頭垂れて這うのだ

(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい)

ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい

(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい)

ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい

(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい)

ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい

(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい)

ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい　ごめんなさい

(ともだちとわらいあって)

友達と笑い合って

(こいびとときすをして)

恋人とキスをして

(あたりまえをてにした)

当たり前を手にした

(ゆえのばつなのですか)

故の罰なのですか

(うまれてきてごめんなさい)

生まれてきてごめんなさい

(のぞまれてなかったのに)

望まれて無かったのに

(ぜんぶわたしのせいだ)

全部私のせいだ

(しあわせなんてまがいもので)

幸せなんて紛い物で

(なにひとつかわってない)

何ひとつ変わってない

(かこもみらいもすべてささげ)

過去も未来も全て捧げ

(ゆるしこうのだ)

許し乞うのだ

(ありあまるなぐさめすら)

有り余る慰めすら

(あんそくにはとどかない)

安息には届かない

(くるしみをいきることが)

苦しみを生きることが

(ははののぞみなのだ)

母の望みなのだ