面白い話 ~20年後の彼ら~ 第5話-1
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問題文
(そのころ、のびたはへきえきしていた。)
そのころ、のび太は辟易していた。
(じゃいあんがしつこく、「おれのいえでのみなおそうぜ」とさそってくるのだ。)
ジャイアンがしつこく、「俺の家で飲みなおそうぜ」と誘ってくるのだ。
(あしたもしごとだから、とことわろうとすると)
明日も仕事だから、と断ろうとすると
(すぐにむかしのがきだいしょうのかおをのぞかせるのだからこまったものだ。)
すぐに昔のガキ大将の顔を覗かせるのだから困ったものだ。
(じゃいあん「いいじゃねぇか」)
ジャイアン「いいじゃねぇか」
(のびた「いや、きょうはえんりょしとくよ」)
のび太「いや、今日は遠慮しとくよ」
(じゃいあん「それにさ、りゅうがくしていたじゃいこが)
ジャイアン「それにさ、留学していたジャイ子が
(いまちょうどかえってきてるんだよ。あいつもおまえにあいたがってたぜ。)
今ちょうど帰ってきてるんだよ。あいつもおまえに会いたがってたぜ。
(ほら、さいきんいいいもじょうちゅうしいれたんだぜ。いっしょにのもうじゃねぇか」)
ほら、最近いい芋焼酎仕入れたんだぜ。一緒に飲もうじゃねぇか」
(それにな、ここだけのはなしあいつむかしはおまえのこと・・・・・・」)
それにな、ここだけの話あいつ昔はおまえのこと……」
(のびた「いや、えんりょしとく」)
のび太「いや、遠慮しとく」
(じゃいあん「それにあいつ、かいがいのふぁっしょんにえいきょうされたのか)
ジャイアン「それにあいつ、海外のファッションに影響されたのか
(さいきんすごくおしゃれになったんだぜ?)
最近すごくお洒落になったんだぜ?
(きょうなんかすげぇみにすかーとを・・・・・・」)
今日なんかすげぇミニスカートを……」
(のびた「だんこ、えんりょしとく」)
のび太「断固、遠慮しとく」
(じゃいあん「しょうがねぇな、とっておきのじょうほうおしえてやるよ。)
ジャイアン「しょうがねぇな、とっておきの情報教えてやるよ。
(おれしってんだ。じゃいこのやつきょうはあんぜん・・・・・・」)
俺知ってんだ。ジャイ子のやつ今日は安全……」
(のびた「えんりょしとく」)
のび太「遠 慮 し と く」
(むりやりじゃいあんにひっぱられ、)
無理やりジャイアンに引っ張られ、
(ついにごうだしょうてんまであとじゅうすうめーたーというところまできてしまった。)
ついに剛田商店まであと十数メーターというところまで来てしまった。
(ここまできたらもうかくごをきめるしかないだろう。のびたははらをくくった。)
ここまで来たらもう覚悟を決めるしかないだろう。のび太は腹をくくった。
(のびた(さよなら・・・・・・ぼくの・・・・・・))
のび太(さよなら……僕の……)
(そのときだった。)
そのときだった。
(???「きゃあああああああああああああっ!」)
???「キャアアアアアアアアアアアアアッ!」
(のびた「!?じゃいあん、いまのひめい・・・・・・」)
のび太「!? ジャイアン、今の悲鳴……」
(じゃいあん「じゃいこのこえだ」)
ジャイアン「ジャイ子の声だ」
(じゃいあんのかおがそうはくになった。)
ジャイアンの顔が蒼白になった。
(どあをぶちやぶるいきおいでふたりがごうだしょうてんにとびこむと、)
ドアをぶち破る勢いで二人が剛田商店に飛び込むと、
(しばられさるぐつわをされたじゃいあんのははと、)
縛られ猿轡をされたジャイアンの母と、
(わきばらをおさえてうずくまるじゃいこのすがたがあった。)
わき腹を押さえてうずくまるジャイ子の姿があった。
(わきばらをおさえるてのすきまからちがながれている。)
わき腹を押える手の隙間から血が流れている。
(じゃいあん「じゃいこおおおおおおおおおっ!!!!」)
ジャイアン「ジャイ子おおおおおおおおおっ!!!!」
(のびた「おちつくんだじゃいあん!!とにかくしけつを・・・・・・ぐあっ!!」)
のび太「落ち着くんだジャイアン!!とにかく止血を……ぐあっ!!」
(よこっぱらにしょうげきをかんじるとどうじに、)
横っ腹に衝撃を感じると同時に、
(のびたのからだはけりとばされたんすにたたきつけられた。)
のび太の体は蹴り飛ばされタンスに叩きつけられた。
(じゃいあんがふりかえると、のびたをけりとばしたとおもわれる)
ジャイアンが振り返ると、のび太を蹴り飛ばしたと思われる
(ふたりぐみがたっていた。ふたりともくろふくにさんぐらす。)
二人組が立っていた。二人とも黒服にサングラス。
(そのてにはちのついたないふがにぎられていた。)
その手には血のついたナイフが握られていた。
(くろふく1「おとなしくするんだな。さわがしいのはごめんだ」)
黒服1「大人しくするんだな。騒がしいのはごめんだ」
(くろふく2「しかしのびのびたまでいっしょとはありがたいな・・・・・・てまがはぶけた」)
黒服2「しかし野比のび太まで一緒とはありがたいな……手間が省けた」