クノイチでも恋がしたい

(どうじょうなんてさぼるぜばいばい)

道場なんてさぼるぜバイバイ

(あたいじゅうごのしんまいくのいち)

あたい十五の新米クノイチ

(ますたーのおしえもぜんぜんみにつかず)

マスターの教えも全然みにつかズ

(はいはいかあさんはいいました)

はいはい母さんは言いました

(おんなはおんなをすてなさいと)

「女は女を捨てなさい」と

(ようしょうきはそれでもぜんぜんやれたのにね)

幼少期はそれでも全然やれたのにね

(えんにちのよるにあらわれたびしょうねんに)

縁日の夜に現れた美少年に

(まっかっかのあかいみが)

まっかっかの赤い実が

(いまほら)

今ほら

(はじけとんだ)

はじけ飛んだ

(あいしてもこいしてもだめだめよ)

愛シテモ恋シテモダメダメよ

(そんなのいやだじゆうかってにさせろ)

そんなの嫌だ自由勝手にさせろ

(あれすんなこれすんなうるさいよ)

アレスンナコレスンナうるさいよ

(おきてなんてだいきらいだ)

掟なんて大嫌いだ

(どうしたらきづかれるこのおもい)

どうしたら気づかれるこの想い

(てんじょうのあなからきみをみてた)

天井の穴から君をみてた

(おんみつにおんみつにできるかな)

隠密に隠密にできるかな

(くのいちでもこいがしたい)

クノイチでも恋がシタイ

(せんにゅうなんてむいていないない)

潜入なんて向いていないない

(あたいじゅうごのばればれくのいち)

あたい十五のばればれクノイチ

(こんなんじゃしごともぜんぜんこなくなる)

こんなんじゃ仕事も全然こなくなる

(ねえねえ)

ねえねえ

(もんばんさんごきげんよう)

門番さんごきげんよう

(ちょいとやしきいれてくんなまし)

「ちょいと屋敷いれてくんなまし」

(どおしてだめなの)

「どおしてだめなの」

(いろじかけすらもはんにんまえ)

色仕掛けすらも半人前

(だんだんだんごやのむすめ)

だんだん団子屋の娘

(おやたったったとかけてきて)

おやたったったと駆けてきて

(ひそひそばなしおどろいた)

ひそひそ話おどろいた

(きさまもらいばるなのか)

キサマもライバルなのか

(あいしてもこいしてもてきだらけ)

愛シテモ恋シテモ敵だらけ

(ひとおもいにぶったきっちゃったいけど)

一思いにぶった斬っちゃったいけど

(あれすんなこれすんなうるさいよ)

アレスンナコレスンナうるさいよ

(おきてなんてだいきらいだ)

掟なんて大嫌いだ

(どうしたらゆるされるこのおもい)

どうしたら許されるこの想い

(ぼんさいのかげからきみをみてた)

盆栽の陰から君をみてた

(おんみつにおんみつにできるかな)

隠密に隠密にできるかな

(くのいちでもこいがしたい)

クノイチでも恋がシタイ

(こいがしたい)

恋がシタイ

(あるひとどいたみつしょにかかれた)

ある日届いた密書（みつしょ）に書かれた

(とんんでもないないなないようおののく)

とんでもナイナイな内容に慄く

(つぎのひょうてきはまさしくあのひと)

次の標的はまさしくあの人

(なんでどおして)

なんで？どおして？

(あたまんなかぱにっく)

頭ん中パニック

(うまれてはじめてのこんなせんたく)

生まれて初めてのこんな選択

(ころしにためらいとようしゃはむよう)

殺シにためらいと容赦は無用

(とおさんかあさん)

とおさんかあさん

(あたいやっと)

あたいやっと

(やるべきことがみつかった)

やるべきことが見つかった

(あいしてもこいしてもだめだめよ)

愛シテモ恋シテモダメダメよ

(それがあたいのいきるさだめ)

それがあたいの生きる定め

(あれすんなこれすんなうるさいよ)

アレスンナコレスンナうるさいよ

(おきてなんてだいきらいだ)

掟なんて大嫌いだ

(まんげつのともりにときはみちた)

満月の灯りに時は満ちた

(かべをうらがえしてきみのまえで)

壁を裏返して君の前で

(しのばせたかたなにたくすおもい)

忍ばせた刀に託す想い

(くのいちでもこいがしたい)

クノイチでも恋がシタイ

(こいがしたいこいがしたい)

恋がシタイ恋がシタイ

(くのいちならこいをはたせ)

クノイチなら恋ヲ果タセ