千年紀末に降る雪は

(とまどいになくこどもらとあざわらうおとなと)

戸惑いに泣く子供らと嘲笑う大人と

(こいびとはさんたくろーす)

恋人はサンタクロース

(いがいとせはひくい)

意外と背は低い

(かなしげなぜんいのししゃよ)

悲しげな善意の使者よ

(あいつのこどくのふかさにだれもてをのばさない)

あいつの孤独の深さに誰も手を伸ばさない

(ほこうしゃてんごく)

歩行者天国

(そこはそりなんてむり)

そこはソリなんて無理

(よこぎろうとするなんてきはたしかかい)

横切ろうとするなんて気は確かかい?

(あかいおにがきたよとしゃれてみるか)

「赤いオニがきたよ」と洒落てみるか

(おくれてここにきたそのわけさえいわない)

遅れてここに来たその訳さえ言わない

(きよわなそのまごころはあわれをさそう)

気弱なその真心は哀れを誘う

(えいきゅうとうどのそこにあいがある)

永久凍土の底に愛がある

(がんぐとひきかえになにをもらう)

玩具と引き替えに何を貰う?

(ｍｙｏｌｄｆｒｉｅｎｄなぐさみに)

My Old Friend、慰みに

(まっかなひいらぎのみをひとつどうぞ)

真っ赤な柊の実をひとつどうぞ

(さあどうぞ)

さあ、どうぞ

(さばくにみずをまくなんておかしなおとこさ)

砂漠に水を蒔くなんておかしな男さ

(ごらんかみがみをまつりあげたうたもおとしめることばもいまはつきた)

「ごらん、神々を祭りあげた歌も、貶める言葉も今は尽きた。」

(せんねんきまつのゆきにひとりごちた)

千年紀末の雪に独り語ちた

(きみがまつのはせかいのよいこのてがみ)

君が待つのは世界の良い子の手紙

(きみのだんろのひをまもるひとはいない)

君の暖炉の火を守る人はいない

(えいきゅうとうどのそこにあいがある)

永久凍土の底に愛がある

(がんぐとひきかえになにをもらう)

玩具と引き替えに何を貰う?

(ｍｙｏｌｄｆｒｉｅｎｄなぐさみに)

My Old Friend、慰みに

(まっかなひいらぎのみをひとつどうぞ)

真っ赤な柊の実をひとつどうぞ

(さあどうぞ)

さあ、どうぞ

(ていとずいいちのさうんどしすてむひびかせて)

帝都随一のサウンドシステム　響かせて

(まてんろうはよるにかおるけしょうびん)

摩天楼は夜に香る化粧瓶

(せんねんきまつのゆき)

千年紀末の雪!

(ああとうきょうのそらをとぶゆめをみたよ)

嗚呼、東京の空を飛ぶ夢を見たよ

(きみがまつのはせかいのよいこのてがみ)

君が待つのは世界の良い子の手紙

(きみのだんろのひをまもるひとはいない)

君の暖炉の火を守る人はいない

(このえいきゅうとうどもとけるひがくる)

この永久凍土も溶ける日がくる

(がんぐとひきかえにとしがしずむ)

玩具と引き替えに都市が沈む

(ｍｙｏｌｄｆｒｉｅｎｄなぐさみに)

My Old Friend、慰みに

(まっかなひいらぎのみをひとつどうぞ)

真っ赤な柊の実をひとつどうぞ

(しらないまちのほてるでしずかにしょくじ)

知らない街のホテルで静かに食事

(あそばないかとしょうじょのしょうふがさそう)

遊ばないかと少女の娼婦が誘う

(つめたいまくらのうらにあいがある)

冷たい枕の裏に愛がある

(よかぜをとおくきくはをみがく)

夜風を遠く聞く歯を磨く

(ｍｙｏｌｄｆｒｉｅｎｄなぐさみに)

My Old Friend、慰みに

(まっかなひいらぎのみをひとつどうぞ)

真っ赤な柊の実をひとつどうぞ

(さあどうぞ)

さあ、どうぞ