ミルクティー

(もうなんねんまえのことかなんて)

もう何年前のことかなんて

(わすれてしまうぐらいまえのことだけど)

忘れてしまうぐらい前のことだけど

(ぼくとあなたはであっておそらくそれはひとめぼれでした)

僕とあなたは出会っておそらくそれは一目惚れでした

(ほーむるーむでじこしょうかいをして)

ホームルームで自己紹介をして

(なまえをおぼえてそのよるつぶやいて)

名前を覚えてその夜呟いて

(じゅぎょうちゅうでもあたまのなかは)

授業中でも頭の中は

(あなたでいっぱいでずっともやもやしていた)

あなたで一杯でずっとモヤモヤしていた

(いつもあなたはぶかつがいそがしいから)

いつもあなたは部活が忙しいから

(じゅぎょうがおわるととびだして)

授業が終わると飛び出して

(しまうはずなのになぜかあのひは)

しまうはずなのになぜかあの日は

(ほうかごにあなたとふたりきり)

放課後にあなたと二人きり

(ひとくちあげるとくれたみるくてぃー)

「一口あげる」とくれたミルクティー

(とてもあまくてすこしぬるくて)

とても甘くて少しぬるくて

(こいのあじがくちにひろがったよ)

恋の味が口に広がったよ

(ゆうやけいろにそまったきょうしつで)

夕焼け色に染まった教室で

(しんぞうのこどうがやけにうるさくて)

心臓の鼓動がやけにうるさくて

(いっしょにかえろうかあなたのえがおが)

「一緒に帰ろうか」あなたの笑顔が

(ぼくをあとおししたせいしゅんのひ)

僕を後押しした青春の日

(はじめててをつないだのは)

初めて手を繋いだのは

(ゆきがふりそうなぐらいさむくてふるえたひのこと)

雪が降りそうなぐらい寒くて震えた日のこと

(あなたのてはびっくりするほどに)

あなたの手はびっくりするほどに

(つめたかったからおもわずわらった)

冷たかったから思わず笑った

(あぁあなたが)

あぁあなたが

(となりにいてくれたから)

隣にいてくれたから

(なにげないようなにちじょうが)

何気ないような日常が

(とてもしあわせだときづいたんだ)

とても幸せだと気づいたんだ

(わらうとほおにできるえくぼも)

笑うと頬にできるえくぼも

(すこしこまるとかみをさわるそのくせも)

少し困ると髪を触るその癖も

(すべてがいとおしくてとてもきれいで)

全てが愛おしくてとても綺麗で

(おもわずだきしめてしまったよ)

思わず抱きしめてしまったよ

(たかだいでながめたあのおおきなはなびが)

高台で眺めたあの大きな花火が

(うちおわるまえにぼくらきすをした)

打ち終わる前に僕らキスをした

(よぞらにちったはないつまでもかがやいて)

夜空に散った花いつまでも輝いて

(ぼくらのこころをてらしていた)

僕らの心を照らしていた

(きづけばもうしゅうてんで)

気づけばもう終点で

(なんだかとてもなつかしいゆめをみていた)

なんだかとても懐かしい夢を見ていた

(みなれたえきのほーむに)

見慣れた駅のホームに

(あのときのけしきはもうなかった)

あのときの景色はもう無かった

(ひとりでかったあたたかいみるくてぃー)

一人で買った温かいミルクティー

(ほんとうはにがてなあまいあまいみるくてぃー)

本当は苦手な甘い甘いミルクティー

(あのひとちがってすこししょっぱくて)

あの日と違って少ししょっぱくて

(のこしてしまいそうになったよ)

残してしまいそうになったよ

(みぞれまじりのあめこごえたゆびさき)

みぞれ混じりの雨凍えた指先

(せんろのむこうがわにあなたをおもった)

線路の向こう側にあなたを想った

(てのなかのぬくもりをほんのすこしだけ)

手の中の温もりをほんの少しだけ

(かんじていたいとねがったふゆのひ)

感じていたいと願った冬の日

(あなたのぬくもりをほんのすこしだけ)

あなたの温もりをほんの少しだけ

(おもいだしたくなったせいしゅんのひ)

思い出したくなった青春の日