悪ノ娘 1
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問題文
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(いだいなじょおうはしんだ。)
偉大な女王は死んだ。
(かのじょはわたしのしゅくんであり、ゆうじんでもあった。)
彼女は私の主君であり、友人でもあった。
(たいくつしのぎのひび。そのなかでえた、かずすくないゆうじんのひとり。)
退屈しのぎの日々。その中で得た、数少ない友人の一人。
(きょう、そのともがしんだ。)
今日、その友が死んだ。
(そう、ひとはしぬのだ。それがふつうなのだ。)
そう、人は死ぬのだ。それが普通なのだ。
(やはりわたしにともなどいらなかったのだ。)
やはり私に友などいらなかったのだ。
(ひとりでいれば。)
一人でいれば。
(そう、ずっとひとりでいれば。)
そう、ずっと一人でいれば。
(こんなに、なくことはなかった。)
こんなに、泣くことはなかった。
(なみだなんて、もうとっくのむかしにかれてしまったのだとおもっていたのに。)
涙なんて、もうとっくの昔に枯れてしまったのだと思っていたのに。
(そろそろこのくにからさろう。)
そろそろこの国から去ろう。
(そうすれば、もうかなしむことはない。)
そうすれば、もう悲しむことはない。
(ひとりならば、かなしむことなどないのだ。)
一人ならば、悲しむことなどないのだ。
(わたしにはもくてきがある。)
私には目的がある。
(みつけなければならない。)
見つけなければならない。
(「たいざいのうつわ」を。)
「大罪の器」を。