夕暮れの真相

(どこへいったってだれとあったってはっぽうふさがりのみらい)

どこへ行ったって　だれと会ったって　八方塞がりの未来

(いちねんまえにきえてしまったきおくがもどるよ)

一年前に　消えてしまった　記憶が戻るよ。

(どうやって？まっすぐなめのそのこにぼくはきいた)

どうやって？　まっすぐな目の　その子に僕は聞いた

(このくすりならきみのすべてをあきらかにできるけど)

この薬なら　君の全てを　明らかに出来るけど、

(きみはまたぜんぶうしなってしまうよひとみのおくがゆれてる)

君はまた全部失ってしまうよ　瞳の奥が揺れてる

(かまわないさどうせかえるばしょなんてないんだ)

構わないさ、どうせ　帰る場所なんてないんだ。

(ぼくはくすりをのんだ)

僕は薬を飲んだ

(あたまのなかがやききれたようなげきつうでからだがはねる)

頭の中が焼き切れたような激痛で体が跳ねる

(ちょうすぴーどでかけるけしきがどうすんだ？どうなんだ？)

超スピードで　駆ける景色が　「どうすんだ？どうなんだ？」

(といかけるそのすきまからさすこうけいがぼくをうちぬいてく)

問いかけるその隙間から差す光景が僕を撃ち抜いてく

(あたたかいこえちぞめのそでとうすれてくたいおんが)

暖かい声　血染めの袖と　薄れてく体温が

(もうきえる)

もう　消える

(おもいだしたってわりきれったってはっぽうふさがりのおもい)

思い出したって　割り切れったって　八方塞がりの思い

(あのひとをねきりさいたのはきみのおなかまさ)

あの人をね、切り裂いたのは　君のお仲間さ。

(なんだって？なみだぐむめをぬぐってぼくはきいた)

なんだって？　涙ぐむ目を拭って　僕は聞いた

(きみはにんげんやつらはきかいげんじつはひじょうだね)

君は人間　奴らは機械　現実は非情だね。

(ぼくをつつんでいたあのえがおもこえもすべてうそだっていうの？)

僕を包んでいた　あの笑顔も声も　全て嘘だって言うの？

(そんなことしらないよでもきみのいたせかいに)

そんな事知らないよ。　でも　君の居た世界に、

(ひとはきみだけだった)

人は君だけだった

(かかえきれないかんじょうをひきずりながらぼくはこうやをはしる)

抱えきれない感情を引き摺りながら　僕は荒野を走る

(おとといみたきみのえがおをしんじるの？しんじれんの？)

一昨日見た　君の笑顔を　「信じるの？信じれんの？」

(ぼくのにちじょうをこわしつくしたきかいたちのにちじょうにとける)

僕の日常を壊し尽くした機械達の日常に溶ける

(きのうまでのじぶんとむきあおうとしないままで)

昨日までの自分と向き合おうとしないままで

(あのかどをまがればまたきみにあえるんだ)

あの角を　曲がれば　また君に会えるんだ

(ふときづけばぼくのかたてにくろぞめのきょうきがにぎられてる)

ふと気付けば　僕の片手に　黒染めの凶器が握られてる

(このせかいかのじょもまたぼくをいつわっている)

この世界、彼女もまた、僕を偽っている

(あふれだすせんけつがきみのあしをつたってじめんをそめる)

溢れ出す鮮血が君の足を伝って地面を染める

(きかいのくせにひとのまねかそうなんだ？どうなんだ？)

機械の癖に　人の真似か　「そうなんだ？どうなんだ？」

(いこうぼくにささやくそのこのあわれむようなひとみにうつる)

「行こう」　僕に囁く　その子の哀れむような瞳に映る

(まっかにそまるゆうひみたいなくるったかおがいた)

真っ赤に染まる　夕日みたいな　狂った顔が居た