怨むよ、レイトサマー

(まどべもたれてなまぬるいかぜがかみをゆらしたちきゅうはきょうもこうねつだ)

窓辺 もたれて生温い風が髪を揺らした 地球は今日も高熱だ

(ちゃいむがなるたびちいさくしたうち)

チャイムが鳴る度小さく舌打ち

(ときよとまれとむそうはさらさらちっていく)

時よ止まれと夢想はサラサラ散っていく

(もうにげだしたいなにげられないなおとなになりたくないな)

もう逃げ出したいな 逃げられないな 大人になりたくないな

(うまれたときにほどこされたのろいのようだった)

生まれた時に施された呪いのようだった

(このかわいたのどもたれるあせもさいごのなつのせいだ)

この乾いた喉も 垂れる汗も 最後の夏のせいだ

(あめいせんそうはとおざかりかなかなのこえ)

蛙鳴蝉噪は遠ざかり蜩の声

(しんろちょうさのかみにはえそらごとまいごのこたえあわせ)

進路調査の紙には絵空事 迷子の答え合わせ

(あーもういやになるなせもたれにもたれついたためいき)

あーもう嫌になるな 背もたれにもたれ吐いたため息

(あまいろのそらさくひこうきぐもかみをたばねてけだるげなかおをした)

天色の空 割く飛行機雲 髪を束ねて気怠げな顔をした

(なにものにでもなれるきがしていたかこのじぶんはね)

何者にでもなれる気がしていた過去の自分はね

(うごうとからからかれていく)

烏合とカラカラ枯れていく

(あーすればよかったできずおわったいくどもくりかえしてた)

あーすればよかった できず終わった 幾度も繰り返してた

(さきゅうができればなんてねがうことはつみですか)

遡及ができればなんて願うことは罪ですか？

(いっせーのーせでとびこむはねるしぶきさいごのなつのせいだ)

いっせーのーせで飛び込む 跳ねる飛沫 最後の夏のせいだ！

(あめみたいだとみなもでうかんでわらってた)

雨みたいだと水面で浮かんで笑ってた

(せいふくがまとわりつくすけるはだあいぞめのそらみつめ)

制服が纏わりつく 透ける肌 藍染の空見つめ

(あーおこられるかなでももどさなくていいなんておもえた)

あー怒られるかな でも戻さなくていいなんて思えた

(せいろんなんてごみでぽいだ)

正論なんてゴミでポイだ

(そこあさきねがいもたれるぐちもさいごのなつのせいだ)

底浅き願いも 垂れる愚痴も 最後の夏のせいだ！！

(たんめいせんそうはよそさまでどうぞごじゆうに)

短命戦争は他所様でどうぞご自由に

(きっとしんのそこではわかってるあいあむくうそうしょうじょ)

きっと心の底ではわかってる アイ・アム・空想少女

(あーこんなじかんだせのびをしてへらずぐちをたたいたさけんだ)

あーこんな時間だ 背伸びをして減らず口を叩いた 叫んだ