誰ソ彼アイデンティティー

(まちなかですれちがうようにかおのみえないだれかがしゃべっていた)

街中ですれ違うように 顔の見えない誰かが喋っていた

(きせかえることばはいつもからーばりえのいみさえないみたい)

着せ替える言葉はいつも カラーバリエの意味さえないみたい

(うだるあつさのあかとさめてしずんだあおを)

茹だる熱さのアカと 冷めて沈んだアオを

(ななめにひいたらいんからのぞいているだけでわかることでしょ)

斜めに引いたラインから 覗いているだけで理解ることでしょ?

(つまんないせかいでいいじゃないしゅちょうもむじょうにとけて)

ツマンナイセカイでいいじゃない 主張も無情に溶けて

(だれだったかわからなくなってくだけなの)

誰だったか分からなくなってくだけなの

(からかいがいのないじだいきょうみだなんてうせて)

揶揄い甲斐の無い時代 興味だなんて失せて

(にごるようにとうめいになるだけ)

濁るように透明になるだけ

(くれなずむそらとよるのやみのすきま)

暮れなずむ空と夜の闇の隙間

(たそがれどきたださまよう)

誰ソ彼時只彷徨う

(とりつくろうはやりのふくもまぎれればこどくといっしょ)

取り繕う流行りの服も 紛れれば孤独と一緒

(いびつにおどるわるつのずれにさえきづかないじゃない)

歪に踊るワルツのズレにさえ 気づかないじゃない

(ひていのないこうていなんてねむごんでいるのとおなじ)

否定のない肯定なんてね 無言でいるのと同じ

(くちをひらくほうがめんどうだとおもわない)

口を開くほうが面倒だと思わない?

(からかいがいのないじだいじつざいなんてみえない)

揶揄い甲斐の無い時代 実在なんて見えない

(ここにいてもいないのとおなじね)

此処にいてもいないのと同じね

(しんきろうのようにあらわれきえつかめない)

蜃気楼のように現れ消え 掴めない

(ほしがっているふりじゃほんねなんてさわれない)

欲しがっている振りじゃ本音なんて触れない

(ほしいならつかまえてみればいいじゃない)

欲しいなら捕まえてみればいいじゃない

(うるさいくらいにまぶしいこえのするほうへ)

煩いくらいに眩しい 声のする方へ

(たいくつなうんめいはきょうみなんてないっていってるの)

退屈な運命は興味なんてないって言ってるの

(つまんないせかいでいいじゃないしゅちょうとむじょうをまぜて)

ツマンナイセカイでいいじゃない 主張と無常を混ぜて

(ふくざつできれいなぐらでーしょんそめましょ)

複雑で綺麗なグラデーション染めましょ

(からかいがいのないじだいななめにひいたらいん)

揶揄い甲斐の無い時代 斜めに引いたライン

(そのすきまにこぼれてるひかりにてらされてみたらみつけられる)

その隙間に溢(こぼ)れてる光に 照らされてみたら見つけられる?

(だからたそがれどきたださまよう)

…だから誰ソ彼時只彷徨う