キラキラ☆カプセル

(めまいだぴかぴか)

めまいだ　ピカピカ

(やっとまともになれる)

やっと　まともになれる

(みんなのまえでは)

みんなの前では

(めをふせてばかりいた)

目を伏せてばかりいた

(なぜそこでわらうの)

何故そこで笑うの

(なぜそこでおこるの)

何故そこで怒るの

(なぜそこでなくの)

何故そこで泣くの

(ぜんぜんぴんとこなかった)

全然ピンとこなかった

(そしてうきよばなれした)

そして浮世離れした

(あまずらからまるけんきゅうじょの)

甘葛絡まる研究所の

(みにくいはなのはかせから)

醜い鼻の博士から

(にせんえんさつをごせんまいそろえてかった)

2000円札を5000枚揃えて買った

(たまむしいろにかがやくちいさなかぷせる)

玉虫色に輝く　小さなカプセル

(きらきらかぷせる)

キラキラ☆カプセル

(ゆめにまでみたかぷせる)

夢にまでみた　カプセル

(こいつをのみこめば)

こいつを飲み込めば

(みんなのなかまになれる)

みんなの仲間になれる

(きらきらかがやく)

キラキラ　輝く

(しんせかいとてをつなぎあうために)

新世界と手をつなぎあうために

(さびしさのしっぽきって)

寂しさのしっぽ切って

(まともなじぶんをつくりあげるために)

まともな自分を作り上げるために

(みみなりぎざぎざ)

耳鳴り　ギザギザ

(やっとまともになれる)

やっと　まともになれる

(わたしがしゃべりだすと)

私が喋りだすと

(みんなかならずだまった)

みんな必ず黙った

(みんながおもうただしいは)

みんなが思う「正しい」は

(それはそれはただしく)

それはそれは正しく

(わたしのおもうただしいは)

私の思う「正しい」は

(みてみぬふりされる)

見て見ぬふりされる

(ようほうはくちからのみこまず)

用法は口から飲み込まず

(こころのすきまからのみこみ)

心の隙間から飲み込み

(ようりょうはじぶんのきがすむまで)

用量は自分の気がすむまで

(やっとへいきなかおを)

やっと平気な顔を

(しているりゆうがわかる)

している理由がわかる

(いちどわかったら)

一度わかったら

(もうにどともどれないけれど)

もう二度と戻れないけれど

(きらきらかぷせる)

キラキラ☆カプセル

(つうはんじゃかえないかぷせる)

通販じゃ買えない　カプセル

(ふあんのくもはむさんし)

不安の雲は霧散し

(ふるえがやっとおさまった)

震えがやっと収まった

(きらきらひとみも)

キラキラ　瞳も

(たまむしいろにかがやきはじめる)

玉虫色に輝きはじめる

(げんかくがみえそうでみえない)

幻覚が見えそうで見えない

(ごくけんぜんなちりょうやく)

ごく健全な治療薬

(きらきらきらきら)

キラ　キラ　キラ　キラ

(かぷせるをのみこんでからみた)

カプセルを飲み込んでから見た

(せかいはすこしせまくなって)

世界は少し狭くなって

(ふつごうなげんじつは)

不都合な現実は

(みぎからひだりへとおりすぎていった)

右から左へ通り過ぎていった

(ねがったりのへんけんならうたがいもせず)

願ったりの偏見なら疑いもせず

(かんたんにのみこんで)

簡単に飲み込んで

(むじかくなさべつのいしきになやまずに)

無自覚な差別の意識に悩まずに

(やっとわたしはまともになった)

やっとわたしはまともになった

(そしてまともな)

そしてまともな

(みんなとやっととけこんで)

みんなとやっと溶け込んで

(ふかいこどくのやまいをかんちさせた)

深い孤独の病を完治させた

(だけどだれかれよくみると)

だけど　誰彼　よく見ると

(たまむしいろのひとみだ)

玉虫色の瞳だ

(みんなぜんいん)

みんな全員

(はかせのかぷせるをかっていた)

博士のカプセルを買っていた

(きれいできらきらの)

綺麗でキラキラの

(かぷせるをかっていた)

カプセルを買っていた