会心劇［full］

(かかえこんだっていみはないな)

抱え込んだって意味はないな

(すべてすべてのみこんだって)

全て全て飲み込んだって

(はきだしそうなことばたちに)

吐き出しそうな言葉たちに

(きょうもうなされてしまうならさ)

今日もうなされてしまうならさ

(きみはあいせないな)

キミは愛せないな

(ばかになってしまうわ)

馬鹿になってしまうわ

(きみはあいせないな)

キミは愛せないな

(とうめいだったはずのぼくは)

透明だったはずの僕は

(にごりかすんでしまいそうな)

濁り霞んでしまいそうな

(きみといっしょ　あなたもいっしょ)

キミと一緒　あなたも一緒

(それでそれであんどしたんだ)

それでそれで安堵したんだ

(そしたらまえにすすめなくなって)

そしたら前に進めなくなって

(きゅうにあしもとがくらくなって)

急に足元が暗くなって

(ことばがつかえなくなりまして)

言葉が使えなくなりまして

(ぼくじゃなくなりそうだ)

僕じゃなくなりそうだ

(このこえにのせたって　あいまいになってしまいそうな)

この声に乗せたって　曖昧になってしまいそうな

(それでもとどくようにせいいっぱいの　はたをふってみせるだろう)

それでも届くように精一杯の　旗を振って見せるだろう

(あいたいになったって　すぐにことばにしたくなって)

相対になったって　すぐに言葉にしたくなって

(だいぎゃくてんてきなてんかいはないさ)

“大逆転的な展開はないさ”

(そうやってぼくをとめるのだろう)

そうやって僕を止めるのだろう

(きみはあいせないな)

キミは愛せないな

(ばかになってしまうわ)

馬鹿になってしまうわ

(きみはあいせないな)

キミは愛せないな

(じょうだんでいったはずのぼくが)

冗談で言ったはずの僕が

(いまはめもそらさなくなって)

今は目も逸らさなくなって

(ばかにしてきたあいつのもんくも)

馬鹿にしてきたあいつの文句も

(いまはどうでもいいんだからさ)

今はどうでもいいんだからさ

(そしたらあかりがつきだしまして)

そしたら灯りがつきだしまして

(あめはすべてながれていまして)

雨は全て流れていまして

(からだがらくになっていまして)

体が楽になっていまして

(ぼくにまたなれそうだ)

僕にまたなれそうだ

(あしたをむかえるように)

明日を迎えるように

(そのあしでたっていけるように)

その足で立っていけるように

(ぼくらはもうにどとこのばしょへと)

僕らはもう二度とこの場所へと

(かえってきてはいけないの)

帰ってきてはいけないの

(すべてうしなったって)

全て失ったって

(だれになんといわれたって)

誰になんと言われたって

(おのれのかんじょうとむきあってるのかい)

“己の感情と向き合ってるのかい”

(そうやってぼくをとりもどすのだろう)

そうやって僕を取り戻すのだろう

(ねつをもった)

熱を持った

(そのかんじょうが)

その感情が

(さめないように)

冷めないように

(そこにやどった　ぼくのいしが)

そこに宿った　僕の意志が

(いみをなして)

意味を成して

(ぼくのむねにとびこんできたんだ)

僕の胸に飛び込んできたんだ

(このこえにのせたって　あいまいになってしまいそうな)

この声に乗せたって　曖昧になってしまいそうな

(それでもとどくようにせいいっぱいの　はたをふってみせるだろう)

それでも届くように精一杯の　旗を振って見せるだろう

(すべてうしなったって　だれになんといわれたって)

全て失ったって　誰になんと言われたって

(おのれのかんじょうとむきあってるのかい)

“己の感情と向き合ってるのかい”

(そうやってぼくをとりもどすのだろう)

そうやって僕を取り戻すのだろう

(きみはあいせないな)

キミは愛せないな

(きみはあいせないな)

キミは愛せないな

(きみはあいせないな)

キミは愛せないな