花餐症/楽園市街

(てんごくはとおいねえ、かむぱねるらはどうおもう？)

天国は遠いねえ、カムパネルラは如何惟う？

(わらえないじょうだんをつみあげてはくずして)

微笑えない冗談を 積上げては崩壊して

(びょうしつからのしゃそうは)

病室からの車窓は

(まばゆいきらめきでみちたりているんだ、)

目映いきらめきで満ち足りているんだ、

(おおせのままに。)

仰せの侭に。

(かんじょうろんりさいしゅうりんぎ)

環状論理 最終稟議

(もうそうへきりえきかんり)

妄想癖 利益管理

(さびたしんびうれうかんみ)

銹びた審美 熟れう甘味

(くらいものになんで、)

溟い想豫になんで、

(ふりまわされてしまうの？)

振り回されてしまうの？

(くるしまなければいけないの？)

苦しまなければ好けないの？

(「すてきれないよ」)

「棄て切れないよ」

(とびのったらいんすいぎんとう)

飛び乗った白線 水銀燈

(やっこうせいぶんほうこうしゅう)

藥效成分 芳香臭

(まっかにひかるねおんらいと)

眞赤に點滅るネオンライト

(「すこしふあんになるね」)

「少し不安になるね」

(ぎせいだってあんどろめだも)

犧牲だって アンドロメダも

(ぼくはいとわないから)

僕は厭わないから

(きてきがなる)

汽笛が鳴る

(あいりすにおおわれたがらすまどこんくりーと)

马兰花に覆われた硝子窓 コンクリート

(がれきちるまちあいしつかぶそくはないよ)

瓦礫散る待合室 過不足はないよ

(ものしずかなはこにわは)

物靜かな箱庭は

(あまいえちれんでくさりはてていたんだ、)

甘いエチレンで腐り果てていたんだ、

(いーぺるのように)

イーペルのように

(しんけいさいぼうせつだんさいご)

神經細胞 切断 最期

(えんめいきこうひぎびょうり)

延命機構 被疑 病理

(ふれるきんきうばうしんり)

觸れる禁忌 奪う心理

(「こんなせかいにどうして？」)

「こんなせかいにどうして？」

(とうめいないいわけをこぼして)

透明な言い訳を溢して

(うえでぃんぐどれすをならった)

ウヱディングドレスを倣った

(ぶるーしーとをまとって)

ブルーシートを纏って

(ひそやかにかんでちかって)

密やかに噛んで誓って

(なまえをおしえこんで)

名前を教え込んで

(そそがれたこーひーどりっぷ)

灌がれた珈琲ドリップ

(だれもいないめりーごーらんど)

誰も居ないメリヰゴーランド

(てんごくまで、ねえむかえにきて？)

天国迄、ねえ 迎えに来て？

(そでをつかみよった)

袖を摑み寄った

(このせまいへやでほおをそったりゆうは)

斯の狹い部屋で 頬を沿った理由は