ノアルゴブルは贖罪人形

(くろいうさぎはあがないつづける)

黒い兎は贖い続ける

(さまよえたましいをささげよ)

彷徨え　魂を捧げよ

(いにしえのじゅつをつかうまじょ)

古の術を使う魔女

(やかたへとすみついて)

館へと棲みついて

(ひとびとにあいをふりまき)

人々に愛を振りまき

(したわれあがめられて)

慕われ崇められて

(かめんのしたはまもの)

仮面の下は魔物

(ぼくはつよくねがった)

僕は強く願った

(ひとのすがたがほしいと)

人の姿が欲しいと

(ししのじゆうをあたえて)

四肢の自由を与えて

(ひきかえにめいじよう)

引き換えに命じよう

(ばけつくろえうばいとれ)

化け繕え　奪い取れ

(あかいさかずきしたたるちのあめ)

赤い盃　滴る血の雨

(えぐりてあるじをくらう)

抉りて主を喰らう

(ほねはくだかれてながるだんまつま)

骨は砕かれて　流る断末魔

(どくにまみれそまる)

毒に塗れ染まる

(やみのなかほほえむ)

闇の中微笑む

(あくまのささやきがきこえる)

悪魔の囁きが聴こえる

(あなたはわたしのともだち)

「貴方は私の友達

(いつまでもそばにいてね)

何時までも傍に居てね」

(みえないゆびきりかわした)

見えない指切り交わした

(ほしぞらのしたで)

星空の下で

(おとされたくびわかせをはめて)

落とされた首輪　枷を嵌めて

(なみだもとうにかれはてたころ)

涙もとうに枯れ果てた頃

(いとおしいげぼくよここへ)

「愛おしい下僕よ此処へ。」

(ひざまずいてあがめよ)

跪いて崇めよ

(まどわすすべあやつりて)

惑わす術　操りて

(あかいくさりにまじわるびろーど)

赤い鎖に交わる天鵞絨(ビロード)

(けがれたこころをしばる)

穢れた心を縛る

(くろいみかづきおろかなるけもの)

黒い三日月　愚かなる獣

(なげきのろいさけぶ)

嘆き、呪い、叫ぶ

(じゅうじかをまといて)

十字架を纏いて

(おのれのあやまちをあがなえ)

己の過ちを贖え

(まだたりぬまだたりぬ)

未ダ足リヌ　未ダ足リヌ

(しょくざいはおわらない)

贖罪は終わらない

(あらがえぬうんめいをたどるものたちはいかほどか)

抗えぬ運命を辿る者達は如何程か？

(よきょうにもならぬざれごと)

余興にもならぬ戯言

(つつしみきかせたまえ)

慎み聴かせ給え

(それはつよくねがった)

それは強く願った

(むすめのいのちふたたび)

娘の命　再び

(あかりがともるようにと)

明りが灯るようにと

(ひきかえにめいじよう)

引き換えに命じよう

(ささげるのだいけにえを)

捧げるのだ生贄を

(がらすのかごにとざされたこころ)

硝子の籠に閉ざされた心

(ぬくもりのこしてねむる)

温もり残して眠る

(しろいひかりによみがえるきおく)

白い光に甦る記憶

(かくもつみはけせぬ)

斯くも罪は消せぬ

(かみがみのいたずら)

神々の悪戯

(ふたりをざんこくにひきさく)

二人を残酷に引き裂く

(くろいうさぎはあがないつづける)

黒い兎は贖い続ける

(ころしたあるじをもとめ)

殺した主を求め

(まじょのてのひらおどらされおちる)

魔女の掌　踊らされ堕ちる

(ぼくはどこへゆくの)

僕は何処へゆくの？

(じゅうじかをまといて)

十字架を纏いて

(さまよえたましいをささげよ)

彷徨え　魂を捧げよ

(さまよえたましいをささげよ)

彷徨え　魂を捧げよ