獣ゆく細道
歌詞(問題文)
(このよはむじょう)
この世は無常
(みんなわかっているのさ)
皆んな分つてゐるのさ
(だれもがうつろう)
誰もが移ろふ
(そうたえまないながれにただ)
さう絶え間ない流れにただ
(うおうさおうしている)
右往左往してゐる
(いつもどおりおきまりの)
いつも通りお決まりの
(みちにひそんでいるあきのよる)
道に潜むでゐるあきのよる
(きぶくれしていきながら)
着膨れして生き乍ら
(しんじゃあいめいかとふといぶかる)
死んぢやあゐまいかとふと訝る
(かいならしているようでかいごろしてんじゃないか)
飼慣らしてゐるやうで飼殺してゐるんぢやあないか
(じぶんじしんのさいのうを)
自分自身の才能を
(あたまとからだまるでくいちがう)
あたまとからだ丸で食ひ違ふ
(にんげんたるまえのたんにそっちょくなかんどを)
人間たる前の単に率直な感度を
(たよっていたいとおもうほんしょうはけもの)
頼つてゐたいと思ふさう本性は獣
(まるごしのいのちをいまのばなしにつっぱしろうぜ)
丸腰の命をいま野放しに突走らうぜ
(いくさきはこときれるばしょ)
行く先はこと切れる場所
(だいしぜんとしていざいこう)
大自然としていざ行かう
(そっとたちいるはじめてのみちにふるえてふゆをおぼえる)
そつと立ち入るはじめての道に震へてふゆを覚える
(まぎれたくてあしなみそろえて)
紛れたくて足並揃へて
(あんしんしていたきのうにはじいる)
安心してゐた昨日に恥ぢ入る
(きづかっているようできづかわせているんじゃいやだじこぎせいのふりして)
気遣つてゐるやうで気遣わせてゐるんぢやあ厭だ自己犠牲の振りして
(ごためさかしかとんだかまとと)
御為倒しかとんだかまとゝ
(けんそんするまえのたんにそっちょくなたいどで)
謙遜する前の単に率直な態度で
(ほこっていたいとおもうそうしょうたいはけもの)
誇つてゐたいと思ふさう正体は獣
(かじかんだいのちでこそなしとげたけっかがすべて)
悴むだ命でこそ成遂げた結果が全て
(こどくとはいいかえりゃあじゆう)
孤独とは言い換へりやあ自由
(だまってとおくへいこう)
黙つて遠くへ行かう
(ものほんかてんぷらかなんてなんせんす)
本物か贋物かなんて無意味
(のうがきはもうけっこうです)
能書きはまう結構です
(こうかふこうかさえもしょうはいさえもとうにんだけにいみがある)
幸か不幸かさへも勝敗さへも当人だけに意味が有る
(なけなしのいのちがひとつ)
無けなしの命がひとつ
(どうせならつかいはたそうぜ)
だうせなら使ひ果たさうぜ
(かなしみがおおいかぶさろうと)
かなしみが覆ひ被さらうと
(だきかかえていくまでさ)
抱きかゝへて行くまでさ
(かりもののいのちがひとつ)
借りものゝ命がひとつ
(あつかましくつかいこんでかえせ)
厚かましく使ひ込むで返せ
(さあむさぼれわらいとばすのさ)
さあ貪れ笑ひ飛ばすのさ
(だれもとおれぬほどせまきみちをゆけ)
誰も通れぬ程狭き道をゆけ