蕎麦屋

(せかいじゅうがだれもかも)

世界じゅうがだれもかも

(えらいやつにおもえてきて)

偉い奴に思えてきて

(まるでじぶんひとりだけが)

まるで自分ひとりだけが

(いらないようなきがするとき)

いらないような気がする時

(とつぜんおまえからでんわがくる)

突然お前から電話がくる

(とつぜんおまえからでんわがくる)

突然お前から電話がくる

(あのそばでもくわないか、ってね)

あのそばでも食わないか、ってね

(べつにいまさらおまえのかおみて)

べつに今さらお前の顔見て

(そばなどくってもしかたがないんだけれど)

そばなど食っても仕方がないんだけれど

(いるすつかうのもなんだかみたいで)

居留守つかうのもなんだかみたいで

(なんのかんのとわりばしをおっている)

なんのかんのと割り箸を折っている

(どうでもいいけどとんがらし)

どうでもいいけどとんがらし

(どうでもいいけどとんがらし)

どうでもいいけどとんがらし

(そんなにかけちゃよくないよ、ってね)

そんなにかけちゃよくないよ、ってね

(かぜはのれんをばたばたなかせて)

風はのれんをばたばたなかせて

(らじおはしったかぶりのおおずもうちゅうけい)

ラジオは知ったかぶりの大相撲中継

(あいつのしっぱいばなしにけらけらわらって)

あいつの失敗ばなしにけらけら笑って

(どんぶりにつかまりながら、おまえ)

丼につかまりながら、おまえ

(あのね、わかんないやつもいるさって)

あのね、わかんない奴もいるさって

(あのね、わかんないやつもいるさって)

あのね、わかんない奴もいるさって

(あんまりとつぜんいうからなきたくなるんだ)

あんまり突然云うから泣きたくなるんだ

(かぜはのれんをばたばたなかせて)

風はのれんをばたばたなかせて

(らじおはしったかぶりのおおずもうちゅうけい)

ラジオは知ったかぶりの大相撲中継

(くやしなみだをながしながら)

悔し涙を流しながら

(あたしたぬきうどんをたべている)

あたしたぬきうどんを食べている

(おまえはどんぶりにかおをつっこんで)

おまえは丼に顔をつっこんで

(おまえはどんぶりにかおをつっこんで)

おまえは丼に顔をつっこんで

(だじゃればなしをせっせとさかせる)

駄洒落話をせっせと咲かせる

(かぜはのれんをばたばたなかせて)

風はのれんをばたばたなかせて

(らじおはしったかぶりのおおずもうちゅうけい)

ラジオは知ったかぶりの大相撲中継