長文練習

(だれかのあしおとをきいた。)

誰かの足音を聞いた。

(いえにはぼくしかいないはずだった。)

家には僕しかいないはずだった。

(さいしょはなにかのききまちがいかとおもったが、どうやらそうではなさそうである。)

最初は何かの聞き間違いかとおもったが、どうやらそうではなさそうである。

(とんとんというおとがじょじょにちかづいている。)

トントンという音が徐々に近づいている。

(ぼくはこわくなってみをひそめた。)

僕は怖くなって身を潜めた。

(すると、ほうちょうをもったみしらぬおとこがぼくのへやにはいってきた。)

すると、包丁を持った見知らぬ男が僕の部屋に入ってきた。

(ぼくはあわててひめいをあげた。しかしおとこはようしゃなくぼくをおいつめてくる。)

僕は慌てて悲鳴をあげた。しかし男は容赦なく僕を追い詰めてくる。

(ぼくはいのちのきけんをかんじ、まどからにげようとした。)

僕は命の危険を感じ、窓から逃げようとした。

(しかしまどからにげようにもとびおりたらそくしのじょうきょうだった。)

しかし窓から逃げようにも飛び降りたら即死の状況だった。

(ぼくはどうすることもできなかった。)

僕はどうすることもできなかった。

(ぎんいろにひかるするどいはがものすごいすぴーどでぼくのくびもとにとんできた。)

銀色に光る鋭い刃がものすごいスピードで僕の首元に飛んできた。

(ぐさっ)

グサッ

(にぶいおととともにしかいがじょじょにくらくなっていった。)

鈍い音とともに視界が徐々に暗くなっていった。

(ぼくはもうしんでしまったのだろうか。)

僕はもう死んでしまったのだろうか。

(そんなことをおもいながらしばらくまっくろいがめんがつづいた。)

そんなことを思いながらしばらく真っ黒い画面が続いた。

(ぼくはしんでいたはずなのになぜかいしきはあった。)

僕は死んでいたはずなのになぜか意識はあった。

(このむじゅんにきづいたぼくは、これがゆめなのだとさとった。)

この矛盾に気づいた僕は、これが夢なのだと悟った。

(やはりゆめだったのか。よかったよかった。)

やはり夢だったのか。よかったよかった。

(そうおもうとどうじに、これがげんじつならよかったのにともおもった。)

そう思うと同時に、これが現実ならよかったのにとも思った。

(よくあさ、いえにはやはりぼくしかいなかった。)

翌朝、家にはやはり僕しかいなかった。