永遠の嘘をついてくれー中島みゆき

(にゅーよーくはこなゆきのなからしい)

ニューヨークは粉雪の中らしい

(なりたからのびんはまだまにあうだろうか)

成田からの便はまだまにあうだろうか

(かたっぱしからともだちからかりまくれば)

片っぱしから友達から借りまくれば

(けっしていけないばしょでもないだろう)

決して行けない場所でもないだろう

(にゅーよーくぐらい)

ニューヨークぐらい

(なのにえいえんのうそをききたくて)

なのに永遠の嘘を聞きたくて

(きょうもまだこのまちでよっている)

今日もまだこの街で酔っている

(えいえんのうそをききたくて)

永遠の嘘を聞きたくて

(いまはまだふたりともたびのとちゅうだと)

今はまだ二人とも旅の途中だと

(きみよえいえんのうそをついてくれ)

君よ永遠の噓をついてくれ

(いつまでもたねあかしをしないでくれ)

いつまでもたねあかしをしないでくれ

(えいえんのうそをついてくれなにもかも)

永遠の嘘をついてくれなにもかも

(あいゆえのことだっといってくれ)

愛ゆえのことだっと言ってくれ

(このくにをみかぎってやるのはおれのほうだと)

この国を見限ってやるのは俺のほうだと

(おわれながらほざいたともからのてがみには)

追われながらほざいた友からの手紙には

(しゃんはいのうらまちでやんでいると)

上海の裏街で病んでいると

(みしらぬだれかのへたなだいひつもじ)

見知らぬ誰かの下手な代筆文字

(なのにえいえんのうそをつきたくて)

なのに永遠の噓をつきたくて

(さがしにはくるなとむすんでいる)

探しには来るなと結んでいる

(えいえんのうそをつきたくて)

永遠の嘘をつきたくて

(いまはまだぼくたちはたびのとちゅうだと)

今はまだ僕たちは旅の途中だと

(きみよえいえんのうそをついてくれ)

君よ永遠の噓をついてくれ

(いつまでもたねあかをしないでくれ)

いつまでも種あかをしないでくれ

(えいえんのうそをついてくれいちどは)

永遠の噓をついてくれ一度は

(ゆめをみせてくれたきみじゃないか)

夢を見せてくれた君じゃないか

(きずついたけものたちはさいごのちからできばをむく)

傷ついた獣たちは最後の力で牙を剥く

(ほっておいてくれとさいごのちからでうそをつく)

放っておいてくれと最後の力で嘘をつく

(うそをつけえいえんのさよならのかわりに)

嘘をつけ永遠のさよならのかわりに

(やりきれないじじつのかわりに)

やりきれない事実のかわりに

(たとえくりかえしなぜとたずねても)

たとえくり返し何故と尋ねても

(ふりはらえかぜのようにあざやかに)

振り払え風のようにあざやかに

(ひとはみなのぞむこたえだけをきけるまで)

人はみな望む答えだけを聞けるまで

(たずねつづけてしまうものだから)

尋ね続けてしまうものだから

(きみよえいえんのうそをついてくれ)

君よ永遠の噓をついてくれ

(いつまでもたねあかしをしないでくれ)

いつまでもたねあかしをしないでくれ

(えいえんのうそをついてくれであわなければ)

永遠の噓をついてくれ出会わなければ

(よかったひとなどないとわらってくれ)

よかった人などないと笑ってくれ

(きみよえいえんのうそをついてくれ)

君よ永遠の噓をついてくれ

(いつまでもたねあかしをしないでくれ)

いつまでもたねあかしをしないでくれ

(えいえんのうそをついてくれであわなければ)

永遠の噓をついてくれ出会わなければ

(よかったひとなどないとわらってくれ)

よかった人などないと笑ってくれ