クロマト

(もはんかいとうだっておもっていた)

「模範解答」だって思っていた

(きよさとやらはどうももろいようで)

清さとやらはどうも脆いようで

(いわなくてもわかってんでしょ)

言わなくても分かってんでしょ

(ただのくだらないむかしばなしさ)

ただのくだらない昔話さ

(いちだんとばしかいだんのぼったあのこ)

一段飛ばし階段登ったあの子

(ぼくはどうこえかけたんだっけ)

僕はどう声かけたんだっけ

(あぶないよなんてほんとうはうらやましいだけ)

「危ないよ」なんて本当は羨ましいだけ

(ほんねかみころしてきれたくちにのこして)

本音嚙み殺して切れた口に残して

(ごうりせいとりせいのまさつするあじをしる)

合理性と理性の摩擦する味を知る

(おりこうさんぶってくちをとじて)

お利口さんぶって？口を閉じて？

(ぜんぶくだらない)

全部くだらない

(もはんかいとうだってすがっていた)

「模範解答」だって縋っていた

(きよさとやらはどうももろいようで)

清さとやらはどうも脆いようで

(ひとしずくでわかってんでしょ)

一滴でわかってんでしょ

(おなじいろがぼくにもまざっている)

同じ色が僕にも混ざっている

(うりきれたいっとうしょう)

売り切れた一等賞

(しいれはきっとうそ)

仕入れはきっと嘘

(ばかみたいばかしあい)

バカみたい化かし合い

(ほらふきはばかみない)

法螺吹きは馬鹿見ない

(いたいいたいがまだはいふぁい)

痛い痛いがまだハイファイ

(にがいさいわいがたりない)

苦い幸いが足りない

(りかいしたいきたいしない)

理解したい期待しない

(じあいしまいでいたい)

自愛終いでいたい

(もはんかいとうなんてたがっていた)

「模範解答」なんて違っていた

(あしさとやらはこうもあまいようで)

悪しさとやらはこうも甘いようで

(ひとしずくのひろがるままに)

一滴の広がるままに

(にじみだしたものゆるしてしまえば)

滲み出したモノ許してしまえば

(せいとうをねがっていた)

「正答」を願っていた

(きよさとやらはどうぞすきにして)

清さとやらはどうぞ好きにして

(いわなくてもわかってんでしょ)

言わなくてもわかってんでしょ

(おなじいろがきみにもまざっている)

同じ色が君にも混ざっている