ユエニ/ユリイ・カノン

(なにをかいてうたってもみたせない)

何を描いて唄っても満たせない

(ゆえにゆめみちゃうのもしかたないじゃない)

故に夢見ちゃうのも仕方ないじゃない?

(なんねんたってもかわらないものを)

何年経っても變わらないものを

(もとめつづけくさっていきゃいいさ)

求め續け腐っていきゃいいさ!

(そまつならんさくみあきたもうすでに)

粗末な濫作 見飽きたもう既に

(にたようなかおしてみわけられないわ)

似たような顔して見分けられないわ

(むかちなといだのふらちなかいだとか)

無價値な問いだの不埒な解だとか

(あいだのこいだのほんとくだらないわ)

哀だの戀だのホントくだらないわ

(せいさんせいなどないほどに)

生産性など無い程に

(かいたちのうばかのものいい)

缺いた知能 馬鹿の物言い

(あいてしまったそのころに)

飽いてしまった其の頃に

(たいていほぞをかむ)

大抵臍を噛む

(それはあいやかねでもみたせない)

其れは愛や金でも満たせない

(ゆえにいうよまいごとしかたないじゃない)

故に謂う世迷い言 仕方ないじゃない?

(あいつもこいつもゆるせない)

彼奴も此奴も許せない

(ならばあたしがきえりゃもんだいない)

ならばあたしが消えりゃ問題ない

(あんたのなかみもみてみたい)

あんたの中身も観てみたい

(けれどみぬものきよしだとかいうじゃない)

けれど見ぬ物清しだとか云うじゃない?

(あしたにきたいなどしちゃいない)

明日に期待などしちゃいない

(なのにあたしはいまもこうしてうたってんだ)

なのにあたしは今もこうして歌ってんだ?

(どうせしぬんだしいみがないんだよこんなことばもきえていく)

どうせ死ぬんだし意味が無いんだよ こんな言葉も消えていく

(ふぐうをかこってもいみがないんだよ)

不遇を託っても意味が無いんだよ

(ああみにくいこころをけして)

ああ、醜い心を消して

(こうこのぎりょうさいのうがほしい)

曠古の伎倆、才能が慾しい

(なんてぐろうゆめまぼろし)

なんて愚陋 夢幻

(くうちゅうろうかくにひとしい)

空中楼閣に等しい

(りそうにすがっている)

理想に縋っている

(なぜになんべんといてもわからない)

なぜに何遍説いてもわからない?

(それにいうにことかくばかみたいじゃない)

それに言うに事缺く 馬鹿みたいじゃない?

(なにものにもなりえないものに)

何者にも成り得ない者に

(いきるりゆうをくれてやる)

生きる理由をくれてやる

(こんなことばじゃすくえない)

こんな言葉じゃ救えない!

(ゆえにいうよまいごとしかたないじゃない)

故に謂う世迷い言 仕方ないじゃない?

(おためごかしじゃだませない)

御爲倒しじゃ騙せない!

(ゆえにあたしはいまもこうしてうたってる)

故にあたしは今もこうして歌ってる

(ゆめのひとつくらいもたせてくれないか)

夢の一つくらい持たせて呉れないか?