花瓶に触れた

(しんやさんじはんをまわってそらがかたむきはじめたころ)

深夜三時半を回って　空が傾き始めた頃

(おちたおもちゃあしでころがしたきっとごみのひにきえるだろう)

落ちた玩具足で転がした　きっとゴミの日に消えるだろう

(あすはだいじなひにしたいからいえにかえりねむりにつくよ)

明日は大事な日にしたいから　家に帰り眠りにつくよ

(きみのほおにのこるこいのいろきづかないふりをつづけてる)

君の頬に残る恋の色　気付かないふりを続けてる

(どうどうめぐりのかいわおわらないようにくつをはいて)

堂々巡りの会話　終わらない様に靴を履いて

(あいまいなきょりはきょうだってぼやけてかわらないし)

曖昧な距離は今日だって　ぼやけて変わらないし

(かえりたいとおもったきみはてをにぎった)

帰りたいと思った君は手を握った

(そのしんどうはたしかにかびんにふれた)

その振動は確かに花瓶に触れた

(わらえないはなしはできればしたくないんだ)

笑えない話は出来ればしたくないんだ

(いつもどおりならここで)

いつも通りなら　ここで

(どあをふさいでまたかくしごとべつにいいさしりたくもない)

ドアを塞いでまた隠し事　別にいいさ知りたくもない

(たしかにぬりかえたつめのいろきづかないふりをつづけてる)

確かに塗り替えた爪の色　気付かないふりを続けてる

(りゅうびとうじゅのきみにあせらないようにしたをむいて)

柳眉倒豎の君に　焦らないように下を向いて

(しんぱいなのはいまだってことばはとぎれたまま)

心配なのは今だって　言葉は途切れたまま

(くらべたいとおもったたがいのおもいをぜんぶ)

比べたいと思った　違いの想いを全部

(そのがんぼうはまぢかにうかんできえた)

その願望は間近に　浮かんで消えた

(かざらないでそんなひどくこえはうるんで)

飾らないでそんな　酷く声は潤んで

(わからないかなあ)

わからないかなあ

(ぽつりきょうがおわるようだ)

ぽつり　今日が終わるようだ

(おなじようでちがうきょうだ)

同じようで違う今日だ

(こんなかんけいつづけるのはばかばかしいでも)

こんな関係続けるのは　馬鹿馬鹿しいでも

(つたえたいおもいがいえずにじかんがたった)

伝えたい想いが言えずに時間が経った

(またはがゆいおんどがつのるけれど)

また歯痒い温度が募るけれど

(ただいまっていってよごれたくつをみないで)

ただいまって言って　汚れた靴を見ないで

(いつもどおりなら)

いつも通りなら

(かえりたいとおもったきみはてをにぎった)

帰りたいと思った　君は手を握った

(そのしんどうはたしかにかびんにふれた)

その振動は確かに　花瓶に触れた

(わらえないはなしはできればしたくないんだ)

笑えない話は　出来ればしたくないんだ

(いつもどおりならここで)

いつも通りなら　ここで