君の知らない物語

(いつもどおりのあるひのこと きみはとつぜんたちあがりいった)

いつもどおりのある日のこと 君は突然立ち上がり言った

(「こんやほしをみにいこう」)

「今夜星を見に行こう」

(「たまにはよいこというんだね」 なんてみんなしていってわらった)

「たまには良いこと言うんだね」 なんてみんなして言って笑った

(あかりもないみちをばかみたいにはしゃいであるいた)

明かりもない道を　バカみたいにはしゃいで歩いた

(かかえこんだこどくやふあんに おしつぶされないように)

抱え込んだ孤独や不安に 押しつぶされないように

(まっくらなせかいからみあげた よぞらはほしがふるようで)

真っ暗な世界から見上げた 夜空は星が降るようで

(いつからだろきみのことをおいかけるわたしがいた)

いつからだろ君の事を追いかける私がいた

(どうかおねがいおどろかないできいてよ わたしのこのおもいを)

どうかお願い　驚かないで聞いてよ 私のこの想いを

(「あれがでねぶあるたいるべが」 きみがさすなつのだいさんかくおぼえてそらをみる)

「あれがデネブ　アルタイル　ベガ」 君が指す夏の大三角　覚えて空を見る

(やっとみつけたおりひめさま だけどどこだろうひこぼしさまこれじゃひとりぼっち)

やっと見つけた織姫様　 だけどどこだろう彦星様　これじゃ一人ぼっち

(たのしげなひとつとなりのきみ わたしはなにもいえなくて)

楽しげなひとつ隣の君 私は何も言えなくて

(ほんとうはずっときみのことをどこかでわかっていた みつかったってとどきやしない)

本当はずっと君の事をどこかでわかっていた 見つかったって届きやしない

(だめだよなかないでそういいきかせた)

だめだよ泣かないで　そう言い聞かせた

(つよがるわたしはおくびょうできょうみがないようなふりをしてた だけど)

強がる私は臆病で　興味がないようなふりをしてた だけど

(むねをさすいたみはましてく ああそうかすきになるってこういうことなんだね)

胸を刺す痛みは増してく ああそうか　好きになるって　こういうことなんだね

(どうしたい？いってごらん こころのこえがするきみのとなりがいい)

どうしたい？言ってごらん 心の声がする　君の隣がいい

(しんじつはざんこくだ)

真実は残酷だ

(いわなかった いえなかったにどともどれない)

言わなかった 言えなかった　二度と戻れない

(あのなつのひきらめくほし いまでもおもいだせるよ)

あの夏の日　きらめく星 いまでも思い出せるよ

(わらったかおもおこったかおも だいすきでしたおかしいよねわかってたのに)

笑った顔も　怒った顔も 大好きでした　おかしいよね　わかってたのに

(きみのしらないわたしだけのひみつ よるをこえてとおいおもいでのきみが)

君の知らない　私だけの秘密　 夜を越えて　遠い思い出の君が

(ゆびをさすむじゃきなこえで)

指をさす　無邪気な声で