おもひでしゃばだば

(はるにきみといました)

春に君といました

(はなみでよっぱらって)

花見で酔っぱらって

(えきのかいだんでころり)

駅の階段でころり

(くつがぬげてわらった)

靴が脱げて笑った

(なつにきみといました)

夏に君といました

(てつやあけのうみぞいで)

徹夜明けの海沿いで

(こんびにでかったはなび)

コンビニで買った花火

(ごぜんよじにさいた)

午前四時に咲いた

(じつはわかってて　いわないだけだという)

実はわかってて　言わないだけだという

(ふうせんがふくらんでいく)

風船が膨らんでいく

(ことばにしたら　きえちゃうことや)

言葉にしたら　消えちゃうことや

(わけがわからず　なみだがでたことや)

わけわからず　涙が出たことや

(そんなあたたかいまぼろしが　あるんですか？)

そんな暖かい幻が　あるんですか？

(あるんですね？)

あるんですね？

(おもひで　おもひで　おもひで)

おもひで　おもひで　おもひで

(おもひでしゃばだば)

おもひでしゃばだば

(おもひで　おもひで)

おもひで　おもひで

(おもひでしゃばだば)

おもひでしゃばだば

(あきにきみといました)

秋に君といました

(しょうりょこうにでかけて)

小旅行に出かけて

(みしらぬけしきにかくれ)

見知らぬ景色に隠れ

(ちぇーんてんのうどんたべた)

チェーン店のうどん食べた

(ふゆにきみといました)

冬に君といました

(せまいこたつはふたりぶんで)

狭いこたつは二人分で

(ねんまつをなぞるゆきを)

年末をなぞる雪を

(まどごしにながめていた)

窓越しに眺めていた

(ほんのすこしずつ　はがれるいのちのくずを)

ほんの少しずつ　剥がれる命のクズを

(はりあわせてつないでいく)

貼り合わせて繋いでいく

(はたからあまり　みえないことが)

傍からあまり　見えないことが

(そぼくなやさしさに　ふれたことが)

素朴な優しさに　触れたことが

(にちじょうをてらすともしびに　なるんですか？)

日常を照らす灯火に　なるんですか？

(なるんですね？)

なるんですね？

(おもひで　おもひで　おもひで)

おもひで　おもひで　おもひで

(おもひでしゃばだば)

おもひでしゃばだば

(おもひで　おもひで)

おもひで　おもひで

(おもひでしゃばだば)

おもひでしゃばだば

(えきできみが　ころんだこと)

駅で君が　転んだこと

(ねむたいままの　はなびのこと)

眠たいままの　花火のこと

(あじのうすい　うどんのこと)

味のうすい　うどんのこと

(こたつできいた　じょやのかねのおと)

こたつで聴いた　除夜の鐘の音

(はるに　なつに　あきに　ふゆに)

春に　夏に　秋に　冬に

(いつでもきみといました)

いつでも君といました

(そしてふうせんはもう　われてしまったのです)

そして風船はもう　割れてしまったのです

(ことばにしたら　きえちゃうことや)

言葉にしたら　消えちゃうことや

(わけがわからず　なみだがでたことや)

わけわからず　涙が出たことや

(そんなあたたかいまぼろしが　あるんですか？)

そんな暖かい幻が　あるんですか？

(あったんだよ)

あったんだよ

(おもひで　おもひで　おもひで)

おもひで　おもひで　おもひで

(おもひでしゃばだば)

おもひでしゃばだば

(おもひで　おもひで　おもひで)

おもひで　おもひで　おもひで

(おもひで　おもひで　おもひで)

おもひで　おもひで　おもひで

(おもひでしゃばだば)

おもひでしゃばだば

(おもひで　おもひで)

おもひで　おもひで

(おもひでしゃばだば)

おもひでしゃばだば