魔法の歌

(ぼくはそういうひとじゃないから)

僕はそういう人じゃないから

(せなかをさすってあげられない)

背中をさすってあげられない

(ひざをついてひとのまねをして)

膝をついて　人の真似をして

(ほおをなでている)

頬を撫でている

(ぼくはそういうひとじゃないから)

僕はそういう人じゃないから

(めにうつるすべてがうそにみえる)

目に映る全てが嘘に見える

(こんなきもちもほんとうは)

こんな気持ちも本当は

(ばかみたいってわかっている)

バカみたいって分かっている

(ゆうぐれのぜんしょうせん)

夕暮れの前哨戦

(ひかりがきえるころなにはなくとも)

光が消える頃　何は無くとも

(このこえはきこえるだろうか)

この声は聞こえるだろうか

(わすれるないとおしきひびを)

忘れるな　愛おしき日々を

(すべてのりゆうもしらない)

全ての理由も知らない

(やつにかたるじじょうのひとつもないのだ)

奴に語る事情の一つもないのだ

(みくびるないとおしきひびを)

見くびるな　愛おしき日々を

(ぜんぶうらぎってすてなくちゃ)

全部裏切って捨てなくちゃ

(いきることもままならないのだ)

生きることもままならないのだ

(いつかみうしなったぼくらを)

いつか見失った僕らを

(ちゃんとゆるしてあげられるような)

ちゃんと許してあげられるような

(まほうのうたを)

魔法の歌を

(まよなかのちゅうばんせん)

真夜中の中盤戦

(めがなれるころなにはともあれ)

目が慣れるころ　何はともあれ

(このことばはとどくだろうか)

この言葉は届くだろうか

(いきづらいよなこのよのなかは)

生きづらいよな　この世の中は

(いろんなことがわかってきてからは)

色んなことが分かってきてからは

(もっとなみだがこぼれそうだ)

もっと涙がこぼれそうだ

(みすえるないたましきひびを)

見据えるな　痛ましき日々を

(かなしみなどふたをして)

悲しみなど蓋をして

(ゆっくりとくさらせてしまえばいい)

ゆっくりと腐らせてしまえばいい

(おそれるないとおしきひびを)

恐れるな　愛おしき日々を

(せかいのおわりはきみのひだりてで)

世界の終わりは君の左手で

(そのはんたいがわはぼくのみぎてなのだ)

その反対側は僕の右手なのだ

(ぼくはこういうひとだから)

僕はこういう人だから

(じぶんをあいしてあげられない)

自分を愛してあげられない

(そんなじぶんをあいしている)

そんな自分を愛している

(じぶんにだってきづいているんだよ)

自分にだって気づいているんだよ