袖のキルト

(ぜんぶにげだしちゃってもいいけど)

全部　逃げ出しちゃってもいいけど

(きょうもつくえでおでこさましてる)

今日も机でおでこ冷ましてる

(てさげぶくろのなかのいでんしと)

手提げ袋の中の遺伝子と

(おれまがったまんがぼくのだ)

折れ曲がった漫画、僕のだ

(かってにひとりになったし)

勝手に一人　担ったし

(かくれけいごがにっかになったし)

隠れ敬語が　日課になったし

(きがあうとおもってたきょうでも)

気が合うと思ってた　今日でも

(きまずくなるんだな)

気まずくなるんだな

(ぐたいてきになるとはなせないつみかさならない)

具体的になると　話せない　積み重ならない

(せきひみたいにつったってたけどよそくぐせみたい)

石碑みたいに　突っ立ってたけど　予測癖みたい

(ただつづけたかっただけなのに)

ただ続けたかっただけなのに。

(はなうたじゃなくても)

鼻歌じゃなくても

(そでにふれるしゅんかんのこえ)

袖に触れる　瞬間の声

(きみがなびくぼくはねがう)

君が靡く　僕は願う

(いまはまだこのままで)

今はまだ　このままで

(ふぞろいのさびつなぐはなび)

不揃いのサビ　繋ぐ花火

(いいたいことばはしって)

言いたい言葉　走って

(さけびたいきもちをはじらって)

叫びたい気持ちを　恥じらって

(うたうのはぼくのきると)

歌うのは　僕のキルト

(つぎはぎなめもくだらないはなしを)

継ぎ接ぎなメモ　くだらない話を

(ちゃかしながらみつめあいながら)

茶化しながら　見つめあいながら

(だいだいいろのほうかごとしょしつのすとーぶおん)

橙色の放課後　図書室のストーブ音＝

(だいじょばないひのまちあわせばしょ)

だいじょばない日の　待ち合わせ場所

(さきにすなおになれるきみのつらぬくきみの)

先に素直になれる君の　貫く君の

(うしろすがたをさがしたけれどつたうはなびら)

後ろ姿を　探したけれど　伝う花びら

(ただまぶしくなっただけなのに)

ただ眩しくなっただけなのに。

(あこがれににた)

憧れに似た

(そでにふれるしゅんかんのこえ)

袖に触れる　瞬間の声

(きみがなびくぼくはねがう)

君が靡く　僕は願う

(いまはまだこのままで)

今はまだ　このままで

(ふぞろいのさびつなぐはなび)

不揃いの錆　繋ぐ花火

(いいたいことばはしって)

言いたい言葉　走って

(さけびたいきもちをはじらって)

叫びたい気持ちを　恥じらって

(うたうのはぼくのきると)

歌うのは　僕のキルト

(きかがくもようをたどってあるく)

幾何学模様を　辿って歩く

(おなじところでたどりついた)

同じ所で　たどり着いた

(あまったそでをひきとめてる)

余った袖を　引き止めてる

(きみといるきょうがずっと)

君といる今日が　ずっと

(きせきみたいでさけんだ)

奇跡みたいで　叫んだ

(わすれたくないいっしゅんのこえ)

忘れたくない　一瞬の声

(きみがなびくぼくはねがう)

君が靡く　僕は願う

(いまはまだこのままで)

今はまだ　このままで

(ふぞろいのさびつなぐはなび)

不揃いのサビ　繋ぐ花火

(いいたいことばはしって)

言いたい言葉　走って

(さけびたいきもちをはじらって)

叫びたい気持ちを　恥じらって

(おもいだせるぼくをきると)

思い出せる　僕を着ると