私のドッペルゲンガー

(どうやらおなじせかいに)

どうやら同じ世界に

(うたがきらいなじぶんがいる)

歌が嫌いな自分がいる

(べつにあいたくなんてないわ)

別に会いたくなんてないわ

(しょせんはあかのたにんでしょ)

所詮は赤の他人でしょ

(くるこうじょうしんのだいききん)

来る向上心の大飢饉

(きょぞうでおなかをみたして)

虚像でお腹を満たして

(もうたべらんないなんて)

「もう食べらんない！」なんて

(うまれかわったっていえないね)

生まれ変わったって言えないね

(ほえるたいようにさからって)

吠える太陽に逆らって

(わらっても)

笑っても

(くらやみでたったひとり)

暗闇でたった独り

(ないていたんでしょう)

泣いていたんでしょう？

(つげるさいしゅうれっしゃのけいてきで)

告げる最終列車の警笛で

(ぐらつくきょうかいせん)

グラつく境界線

(みつめるそっくりさんに)

見つめるそっくりさん(笑)に

(てをふって)

手を振って

(もううたえないよ)

「もう歌えないよ。」

(おそろしくつまんないゆめのあさ)

恐ろしくつまんない夢の朝

(はきすてたどくでおぼれてた)

吐き捨てた毒で溺れてた

(こだまでしょうか)

こだまでしょうか？

(いいえちがいます)

いいえ違います

(にせものはきみのほうだと)

偽物は君の方だと

(くだらないしっとで)

くだらない嫉妬で

(せいはいをけがさないで)

聖杯を穢さないで

(わたしがかなでるこえしかかたん)

私が奏でる声しか勝たん

(ちかって)

誓って

(だれだってそういうんだって)

誰だってそう言うんだって

(あたまつかってかんがえたって)

頭使って考えたって

(うたってないわたし)

歌ってない私

(ぜんぜんかちなんてない)

ぜんぜん価値なんてない！

(ゆれるきゃんどる)

揺れるキャンドル

(ひっしこいてまもってでも)

必死こいて守ってでも

(そのふるえたあしでたってたいんでしょう)

その震えた脚で立ってたいんでしょう？

(ふみはずしたらさいごいっちょくせん)

踏み外したら最後一直線

(ならくのかんじょうせん)

奈落の環状線

(そろそろもういいかい)

そろそろもう良いかい

(じかんだぜ)

時間だぜ

(ほんものはどっちでしょう)

「本物はどっちでしょう。」

(げんじつせかい)

現実世界

(へいこうせかい)

並行世界

(どろぬまのおうしゅうせん)

泥沼の応酬戦

(こりつむえん)

孤立無援

(うずまいてく)

渦巻いてく

(うそまみれだいかっとう)

嘘塗れ大葛藤

(くいちぎられ)

食い千切られ

(もうなおらない)

もう治らない

(このうえはおさまらない)

この飢えは収まらない

(だからおねがい)

だからお願い

(なりふりかまわず)

形振り構わず

(わたしだけみていてよ)

私だけ見ていてよ

(ほんものなんていまさらおそいんだよ)

「本物」なんて今更遅いんだよ

(きみののうてんめがけていっちょくせん)

君の脳天めがけて一直線

(わいちゃうだいかっさい)

沸いちゃう大喝采

(これはさいごのさいごのけいこくです)

これは最後の最後の警告です

(こえをかえして)

「声を返して！」

(ほえるたいようにさからってわらっても)

吠える太陽に逆らって嘲笑っても

(くらやみでたったひとり)

暗闇でたった独り

(ないていたんでしょう)

泣いていたんでしょう？

(つげるさいしゅうれっしゃのけいてきで)

告げる最終列車の警笛で

(くずれるきょうかいせん)

崩れる境界線

(にらむそっくりさんにてをふって)

睨むそっくりさんに手を振って

(うたはあげないから)

「歌はあげないから。」