Notebook

(こどものころにきみがかいがんでひろった)

子供の頃に君が海岸で拾った

(ぼろぼろでいろあせたかみきれのたば)

ボロボロで色褪せた紙切れの束

(これからのことやだれとであうのかも)

これからのことや誰と出会うのかも

(ぜんぶかいてあった)

全部書いてあった

(そのとおりになったきみはそのひからもう)

その通りになった君はその日からもう

(うまくわらえないすきだったさいほうもやめた)

上手く笑えない好きだった裁縫も辞めた

(なにかにゆだねていきればらくだから)

何かに委ねて生きれば楽だから

(きっとどこかでそれをのぞんでたの)

きっとどこかでそれを望んでたの

(よげんしょにかいてあったみらいを)

予言書に書いてあった未来を

(いますぐたしかめにむかおうか)

今すぐ確かめに向かおうか

(めもくらむようなはやさで)

目も眩むような速さで

(とまったままだったとけいだいの)

止まったままだった時計台の

(ねじまきをとりもどそうか)

ねじ巻きを取り戻そうか

(ぱぱとままにはないしょねこんやたびだとう)

パパとママには内緒ね今夜旅立とう

(うんめいなんてないただのことばやこうびんがもうでるよ)

運命なんて無いただの言葉夜行便がもう出るよ

(いまきみのふるえるてをにぎりみえたゆびさきのさしきず)

今君の震える手を握り見えた指先の刺し傷

(にやけちゃった)

ニヤけちゃった

(しらないひとがえがいたみらいをきみはかんたんにしんじんの)

知らない人が描いた未来を君は簡単に信じんの

(いまはこのねつをしんじて)

今はこの熱を信じて

(よげんしょにかいてあったみらいを)

予言書に書いてあった未来を

(いますぐかきかえにむかおうか)

今すぐ書き換えに向かおうか

(めもくらむようなはやさで)

目も眩むような速さで

(とまったままだったとけいだいの)

止まったままだった時計台の

(ねじまきをとりもどそうか)

ねじ巻きを取り戻そうか

(もちろんだれにもないしょね)

もちろん誰にも内緒ね

(よげんしゃがかいまみたみらいはしらなくていい)

予言者が垣間見た未来は知らなくていい

(このほんはかみきれにもどる)

この本は紙切れに戻る

(こんやたびだとう)

今夜旅立とう