百人一首タイピング

(あしびきのやまどりのおのしだりおのながながしよをひとりかもねむ)

足曳の山鳥の尾のしだり尾の長々し夜を独りかも寝む

(ありあけのつれなくみえしわかれよりあかつきばかりうきものはなし)

有明のつれなくみえし別れより暁ばかり憂きものはなし

(あらしふくみむろのやまのもみじばはたつたのかわのにしきなりけり)

嵐吹く三室の山のもみじ葉は龍田の川の錦なりけり

(おくやまにもみぢふみわけなくしかのこえきくときぞあきはかなしき)

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき

(あさぼらけありあけのつきとみるまでによしののさとにふれるしらゆき)

朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪

(さびしさにやどをたちいでてながむればいづこもおなじあきのゆうぐれ)

寂しさに宿を立ち出でてながむればいづこも同じ秋の夕暮れ

(かささぎのわたせるはしにおくしものしろきをみればよぞふけにける)

鵲の渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞ更けにける

(きみがためおしからざりしいのちさへながくもがなとおもいけるかな)

君がため惜しからざりし命さへ永くもがなと思いけるかな

(うかりけるひとをはつせのやまおろしよはげしかれとはいのらぬものを)

憂かりける人を初瀬の山おろしよはげしかれとは祈らぬものを

(あまつかぜくものかよひじふきとぢよをとめのすがたしばしとどめむ)

天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ

(めぐりあひてみしやそれともわかぬまにくもがくれにしよはのつきかな)

巡り逢ひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな

(わたのはらこぎいでてみればひさかたのくもいにまがふおきつしらなみ)

和田の原漕ぎ出でてみれば久方の雲居に紛ふ沖つ白波

(みちのくのしのぶもぢずりだれゆえにみだれそめにしわれならなくに)

陸奥の信夫もぢずり誰故に乱れそめにし我ならなくに

(いにしえのならのみやこのやえざくらきょうここのえににほひぬるかな)

古の奈良の都の八重桜今日九重に匂ひぬるかな

(きりぎりすなくやしもよのさむしろにころもかたしきひとりかもねむ)

きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしき独りかも寝む

(このたびはぬさもとりあえずたむけやまもみじのにしきかみのまにまに)

この度は幣も取りあえず手向山紅葉の錦神のまにまに

(よをこめてとりのそらねははかるともよにあふさかのせきはゆるさじ)

夜をこめて鳥の空音ははかるとも世に逢坂の関は許さじ

(ももしきやふるきのきばのしのぶにもなほあまりあるむかしなりけり)

百敷や古き軒端のしのぶにもなほあまりある昔なりけり

(ちぎりおきしさせもがつゆをいのちにてあはれことしのあきもいぬめり)

契りおきしさせもが露を命にてあはれ今年の秋もいぬめり

(おもひわびさてもいのちはあるものをうきにたへぬはなみだなりけり)

思ひ侘びさても命はあるものを憂きにたへぬは涙なりけり