こんなにも美しい世界だから。/Rig

(まどにうつるよこがおはかれをまつあのはのようで)

窓に映る横顔は 枯れを待つあの葉の様で

(すがったひかりのさきにひとしずくのあわいろ)

縋った光の先に ひとしずくの淡色

(はいいろのせかいきょうはつきがまぶしくて)

灰色の世界 今日は月が眩しくて

(あてもないけどねがったあのひよかぜがはこんできたんだ)

あてもないけど願ったあの日 夜風が運んできたんだ

(ふたつのせかいならべあってみひらきのぺーじうめたら)

二つの世界並べあって 見開きのページ埋めたら

(たいくつだったこきゅうがはやくなっていくあざやかないのち)

退屈だった呼吸が速くなっていく 鮮やかな命

(わすれてしまっていたんだ)

忘れてしまっていたんだ

(おりかさなることのないじかんのせんじょうで)

折り重なることの無い時間の線上で

(ちらばったひかりがふたりをてらして)

散らばった光が二人を照らして

(なにもないつづきを)

何も無い続きを

(すべてがかれたこのほしはいまさいこうにうつくしい)

全てが枯れたこの星は 今最高に美しい

(きみのみたけしきをもっとわたしのしらないことばをもっと)

君の見た景色をもっと 私の知らない言葉をもっと

(みせてよおしえてよ)

見せてよ 教えてよ

(きょうはどこにいこうか？)

今日はどこに行こうか？

(つめたくうごかないぜつぼうもきみのゆれるかみにはれる)

冷たく動かない絶望も 君の揺れる髪に晴れる

(かぜがわらってるからぼくらもうたおうよ)

風が笑ってるから 僕らも歌おうよ

(たびじにいろをぬりなおして)

旅路に色を塗り直して

(なんこうねんのきせきよさめないで)

何光年の奇跡よ 醒めないで

(ひきさいたかげのおくにあとがきがまってるなんて)

引き裂いた影の奥に あとがきが待ってるなんて

(いのちのありかはちがくともつないだてはうそじゃない)

命の在処は違くとも 繋いだ手は嘘じゃない

(ふわりとわらうてんしはぼくをくるしめるのにじゅうぶんすぎた)

ふわりと笑う天使は 僕を苦しめるのに十分すぎた

(たびだちもなにもしらないでほしい)

旅立ちも何も 知らないで欲しい

(わがままでつれてっただけどあしたもあなたと)

わがままで連れてった だけど明日も貴方と

(いのちってねかぎりあるからひかるんだよ)

命ってね 限りあるから光るんだよ

(だからよくきいて)

だからよく聞いて

(ねえいかないで)

ねえ行かないで

(「さいごくらいはわらって」なんてむずかしいな)

「最期くらいは笑って」なんて難しいな

(あさひはのぼるのに)

朝日は昇るのに

(すべてがかれたこのほしでいまさいこうにうつくしいうたを)

全てが枯れたこの星で 今最高に美しい歌を

(あなたにもらったことばをずっとわたしがみせたけしきをずっと)

貴方に貰った言葉をずっと 私が見せた景色をずっと

(しまってわすれないで)

仕舞って 忘れないで

(きょうはどこにいこうか)

今日はどこに行こうか

(ゆきかたをしらないこのほしはかみさまにもみえないみらいが)

逝き方を知らないこの星は 神様にも見えない未来が

(あのまたたきがきえぬようにねがったきれいなそらと)

あの瞬きが消えぬように願った 綺麗な空と

(すばらしいきょうがはじまる)

素晴らしい今日が始まる

(あなたにとどくように)

貴方に届くように

(おはよう)

おはよう

(あさだよ)

朝だよ

(いきるあかしをうたおう)

生きる証を歌おう

(なみだをふいてわらおう)

涙を拭いて笑おう

(こんなにもうつくしいせかいだから。)

こんなにも美しい世界だから。