東京

(げんかんどあしまりきらないふるいあぱーと２０５ごうしつ)

玄関ドア閉まりきらない　古いアパート205号室

(つぎかえるときはもちかえるねふえていくふくやぬけがらが)

次帰るときは持ち帰るね　増えていく服や抜け殻が

(せをまるめてあるくたびしょーうぃんどううつるじぶんをみて)

背を丸めて歩く度　ショーウィンドウ映る自分を見て

(ぴんとしてかっこつかないからいわれたことおもいだしたよ)

ピンとしてカッコつかないから　言われたこと思い出したよ

(まえがみがすこしのびたあなたみおぼえのないかおいろのりんぐ)

前髪が少し伸びた貴方　見覚えのない顔色のリング

(さよならひとがかわったように)

さよなら、人が変わったように

(やさしくするのいまさらすぎるわ)

優しくするの、今更過ぎるわ

(あなたにとってわたしはとうきょうことばよりちかくによりそって)

貴方にとって私は東京　言葉より近くに寄り添って

(くれることがわたしにとってのいちばんのきもちだったよ)

くれることが私にとっての1番の気持ちだったよ

(ぼくにとってわんるーむとうきょうつけっぱなしのかんきせんのおと)

僕にとって1ルーム東京　付けっぱなしの換気扇の音

(やぶれたあみどはいのおちたしんく)

破れた網戸、灰の落ちたシンク

(さよならねそれじゃあげんきでまたね)

さよならね、それじゃあ元気でまたね

(ふたりですむならわしつがいいあんまりぼくらあわなかったね)

2人で住むなら和室がいい　あんまり僕ら合わなかったね

(たまったにもつをくるまにつみあいかぎはどあぽすといれといたよ)

溜まった荷物を車に積み　合鍵はドアポスト入れといたよ

(こんなにもとおすぎてちかすぎることなんてなかった)

こんなにも遠すぎて近すぎる事なんてなかった

(へんなとこにはえるけさえいとおしいとおもえてしまったよ)

変なとこに生える毛さえ愛おしいと思えてしまったよ

(ふたりにとってあおさこそとうきょうわたしがさいごになりたかったな)

2人にとって、青さこそ東京　私が最後になりたかったな

(しきめぐりとしをかさねるだけ)

四季巡り、歳を重ねるだけ

(まちのなかあなたのえがおあふれる)

街の中、あなたの笑顔溢れる

(きみこそがとうきょうきみこそがとうきょう)

君こそが東京　君こそが東京

(ぼくにとってきみはとうきょうたまにでいいからおもいだしてね)

僕にとって君は東京　たまにで良いから思い出してね

(きみのにおいがしみついたふくやくそくはいちどもまもれないまま)

君の匂いが染みついた服　約束は一度も守れないまま

(さよならねきみはぼくのとうきょう)

さよならね、君は僕の東京