千夜一夜

(つないでくかすかなひを)

繋いでく微かな火を

(ともしてゆくわずかなきぼう)

灯してゆく僅かな希望

(ことばがいまたぐりよせた)

言葉が今、手繰り寄せた

(ものがたりはよるをこえて)

物語は夜を超えて

(かわることなどないとしんじていた)

変わることなどないと信じていた

(まじりけのないあいはくずれおちた)

まじりけのない愛は崩れ落ちた

(かなしみはかれを)

悲しみは彼を

(よるのなかへ)

夜の中へ

(みちびかれるようにただしずんでゆく)

導かれるようにただ沈んでゆく

(おわることのないくらやみのなかに)

終わることのない暗闇の中に

(とびこんだそれはひとすじのひかり)

飛び込んだそれは一筋の光

(ことばはせかいを)

言葉は世界を

(よるにうつす)

夜に映す

(ここからはじまるせんのものがたり)

ここから始まる千の物語

(つないでくかすかなひを)

繋いでく微かな火を

(ともしてゆくわずかなきぼう)

灯してゆく僅かな希望

(ことばがいまたぐりよせた)

言葉が今、手繰り寄せた

(ものがたりはつぎのよるへ)

物語は次の夜へ

(みちびかれるようにただもとめてゆく)

導かれるようにただ求めてゆく

(いろとりどりのせかいぺーじをめくる)

色とりどりの世界ページをめくる

(つぎはどこへいくなにがみえる)

次はどこへ行く何が見える

(ことばがつむぐあたらしいせかいへきょうも)

言葉が紡ぐ新しい世界へ今日も

(てりつけるたいよう)

照りつける太陽

(うみをこえたさきにひろがるまち)

海を越えた先に広がる街

(そらをとんでであったふたり)

空を飛んで出会った二人

(ふかしぎなくにのいろよ)

不可思議な国の色よ

(たびをするこうやのはて)

旅をする荒野の果て

(ねがいをかなえるほうせき)

願いを叶える宝石

(めくるめくものがたりは)

めくるめく物語は

(いくつものよるをこえて)

幾つもの夜を超えて

(かわることなどないとしんじていた)

変わることなどないと信じていた

(かなしみはいつのひかそらにきえた)

悲しみはいつの日か空に消えた

(わすれかけていた)

忘れかけていた

(あいはここに)

愛はここに

(さしこむひかりによるがとけてゆく)

差し込む光に夜が溶けてゆく

(つないでくかすかなひを)

繋いでく微かな火を

(ともしてゆくわずかなきぼう)

灯してゆく僅かな希望

(ことばがいまたぐりよせた)

言葉が今、手繰り寄せた

(ものがたりはつぎのよるへ)

物語は次の夜へ

(つないでくかすかなひを)

繋いでく微かな火を

(ともしてゆくわずかなきぼう)

灯してゆく僅かな希望

(ことばがいまみらいになる)

言葉が今、未来になる

(ものがたりはつづいてゆく)

物語は続いてゆく

(ながいよるにあさひがさした)

長い夜に朝日が差した